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「人事部の役割」変化のまとめ

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ここ数年、人事部の方々の仕事を見聞きし、また実際にやってみると人事部の役割が大きく変化していることを感じます。

諸説ありますが人事部の役割は大きくわけて5つ。

評価、賃金、採用、教育、配置ですが、このいずれもが30年前に求められていたこととは全く異なる成果やビジョンを求められています

今回は人事部の方々に向け、実際に起きている変化を検証し、どのように対応すべきかを検討してみたいと思います。

1.評価制度の変化

2000年代を迎えるまで、評価制度は10年に一回の大工事でした。高度成長期とその後のバブル崩壊までの間、評価制度は大きく変える必要が無いものでした。

しかし、最近では事業の変化のスピードが早く、2年から3年で、評価基軸が陳腐化する自体が多発しています。要するに、会社の変化のスピードに、評価制度がついていけていないのです。

ですから、最近の企業は2,3年に一度、評価制度を見直しをすることによって実態と評価の調整を行っています。

面白いことに最近では人事評価制度を構築する上でもっとも重要なのが「成果をどう評価するか」ではなく「上司の評価が納得できるかどうか」というところとなっています。

事業の変化の速い領域では、もはやモノサシは「上司」となっているのです。

また、進んだ会社では事業と一体化した評価制度の作り方を云々する前に、新規事業は独立採算・子会社にしてしまい評価も彼ら自身に任せてしまう、という形態を取るところも少なくないようです。

これにより旧来の評価制度を取る社員と、新しい業態にチャレンジする社員の摩擦を防ぐことができます。

 

2.賃金制度の変化

終身雇用の崩壊は、すなわち従来の賃金制度の崩壊でした。現在は転職が増え、新卒から徐々に賃金が上昇していく、という賃金制度は運用しにくくなっています。

最も分かりやすい事例として、少しずつ賃金が上昇していき、50歳附近でピークを迎え、定年に向けて下がっていくという賃金カーブがすでに役に立たないものとなっています。

「働かない中年」という言葉に代表されるように、中高年層の賃金はますます低下しています。厳しいことに、若い時に低めに設定されていた賃金を回収する、ということにはなっていません。

この状況下では適切な賃金の目安がわからない、とする会社も多くなっています。

また、知識集約的な産業が主流となり、労働者に依る生産性のちがいが顕著になっています。極端な話、知識労働は生産性に100倍のちがいが出るので、会社への貢献度が社員によって著しく異なることが普通なのです。

この場合「社内でどの程度の格差まで許容されるのか」という新しい悩みが人事に出てきています。すでにGoogleなどでは「貢献度によって報いる」という方式をとっており、10倍、100倍もの格差が出るのが普通とされているようです。

 

3.採用の変化

採用の軸足は新卒から中途へ変化し、また定期採用から通年採用へと移行しています。それに伴い、人事の仕事は平準化されてはいますが、より厳しい人材獲得競争が常に続く、という形となっています。

また、知識集約的な産業では、人により大きく生産性が異なるので、面接でどうやって有能な人を見抜くかが競われています。データを収集することで面接の技術を解析する必要性が発生しているのです。

面接を諦める会社もあります。採用は「一緒に働いてみないとわからない」というニーズからインターンや有期雇用経由の入社が増えています。

これは長期的に見れば会社にとって望ましい傾向かもしれませんが、労働者は不安定な雇用にさいなまれることになるでしょう。

さらに、技能を持つ人を確保するのに、正社員である必要性が減ったことから、フリーランス、非正規雇用の増加が見込まれ、「会社に所属していない人」のマネジメントが新しい技術として注目されています。

 

4.教育内容の変化

古くから企業内教育といえば、OJT、研修という2つの大きな柱がありました。ですが現在ではその有効性について疑問が投げかけられることも増えています。

そこで最近では「外部の場の提供」というニーズを持つ会社も増えています。

ある会社では、企業内研修に加え「外部の勉強会への参加」「ハッカソンの主催」「組織の垣根を超えたプロジェクト」などにより社員を教育しようとする会社も増えています。

また、社員側もポータブルスキルを重視する傾向にあり、「その会社でしか通用しないスキル」を身につけることには消極的です。

今後、転職者が益々増えることで企業は自前での研修を最低限に絞り、キャリア教育などは社員の自腹に。副業を推奨して学びの場を持ってもらうなどの試みが増えると予想されます。

 

5.配置に対する考え方の変化

「人の配置」は生産性を高めるために重要なことの1つですが、いまの傾向として「同質性の追求から、異質性の追求へ」が挙げられます。

つまり、以前は気の合う人同士、使いやすい人、を部署によって振り分けていたところを、「違う分野」「異なる専門性」を中心に人を組みあわせ、イノベーションを誘発しようという考え方です。

もちろん配置は、正社員だけではなく外部の人材も含めた配置を行います。異質な組織で働く人同士を組み合わせ、発火させようと言う人も数多くいます。「組み合わせの力」が今後の「配置」を考える上でのキーワードとなるでしょう。

 

まとめ

人事部は今後ますます重要な部署となります。その本質は、「社内外の人材を惹きつける」ことの重要性からです。

商品をアピールすることと同じくらい、社内外の有能な人材を集めること、また社員にやりがいを持って仕事をしてもらうことが重要だからです。

人事に所属する人々は、マーケティングを身につけることが必須となっていきます。経営者は、場合によっては人事部を「マーケティング部」と統合されることも考えていくべきでしょう。

この記事を書いた人
安達裕哉
経営・人事・ITコンサルタント。ティネクト株式会社代表取締役。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間経営コンサルティングに従事する。1000社以上の大企業、中小企業にIT・人事のアドバイザリーサービスを提供し、8000人以上のビジネスパーソンに会う。自身の運営するブログ「Books&Apps」は月間PV数150万以上。
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