問題解決の事例 「寝坊をしないためには?」

こんにちは。株式会社PISのブログからお届けしています。

あなたは朝に強いタイプですか。私は低血圧なのか、ときどき朝起きるのがしんどいことがあります。新人時代は寝坊して上司に怒られることもありました。目覚まし時計を常時3~5個セットするようになってからは寝坊はなくなりましたが…

遅刻すると、この世の終わりを感じるぐらい、朝から暗い気持ちで仕事をするハメになってしまいますよね。本人が寝坊するのは自業自得ですが、部下ができてからは他人の寝坊問題とも付き合ってきました。自分の新人時代は棚に上げて、叱る日々。叱る側も大変です。

そこで今回は、寝坊して落ち込んだり、寝坊した人に叱らないですむように、寝坊問題を論理的に問題解決していきたいと思います。

1.原因分析のフレームワーク(再掲)

「IPO+制約条件・成立条件」を原因分析のフレームワークとして活用してみます。IPOとは、業務プロセスの根幹となる概念であり、インプット、プロセス、アウトプットの3要素からなるフレームワークを指します。

インプット業務プロセスが開始するきっかけ。

プロセス業務プロセス。5W2Hなどで定義される。

アウトプット業務プロセスが終了したときの状態。

成立条件ある事柄が成立するために必要な条件

制約条件ある事柄を妨げる条件

 
cause

 

2.寝坊の原因分析

同じ部署にいる新人さんが寝坊してきました。聞くと、最近、睡眠不足のようです。一緒に住んでいる恋人がいますが、一生に寝坊してしまうこともしばしば。目覚ましはかけているようなのですが…。

職場での人間関係は良好で、慣れない仕事に苦戦することはあるようですが、仕事にはやりがいを感じているようです。

あなたなら、この新人に対して、どのような解決策を教えますか?まずは、解決策を考える前に、網羅的に寝坊の原因を洗い出してみましょう。

IPO+成立条件・成約条件で構造化された原因
インプット睡眠不足で寝た。
プロセス①部屋の電気を消す。
②目覚ましをかける。
③目覚ましをとめる。
アウトプット10時に起きて11時に出社した。
制約条件隣で寝ている人が目覚ましをとめる。
成立条件家には快適なベッドがある。

 
cause2

 

3.原因を検証し、課題を絞り込む

それぞれの原因を、以下の軸で検証していきましょう。

課題を選定する軸

・実行可能性

・費用対効果

・優先順位(重要度 × 緊急度)

 

インプット

「そもそも寝るのが遅いから寝坊してしまうんだ。」という考え方です。新人さんへの聞き取り内容から、原因の一つであることがわかっています。規則正しい生活を送り、早く寝るようにする。真っ当な解決策ですが、新人さんに通用しそうでしょうか。

新人故に、仕事のスピードも遅く残業してしまうこともあるかもしれません。まだまだ遊びたい盛りで、友人や同僚との飲み会にも出かけたいでしょう。

原因の一つには違いないですが、新人さんの意識改革を促すという解決策は実行可能性に乏しいかもしれません。

 

プロセス

プロセスはどうでしょうか。

①部屋の電気を消す
部屋を明るくし、深い眠りにつけないようにする。一つの解決策ではありますが、眠りが浅いため、次の日に寝不足になりそうです。解決策が新たな問題を生んでいるため、効果性に疑問があります。カーテンを開けたまま寝る。近くに建物がなければ良いかもしれませんが、プライバシーの問題に発展しそうです。

②目覚ましをかける。
目覚ましのかけ忘れは原因としてあり得ますが、新人さんに対する結果から、かけ忘れは事実として認定できません。

③目覚ましをとめる。
目覚ましはかけているのですが、無意識にとめて二度寝してしまう。よくある話です。一つで起きることができないのであれば、3~5個に増量する。新しい目覚ましを購入するコストがかかりますが、大した金額ではありませんし、数を増やしていけば、いつか解決しそうです。

 

制約条件

「隣で寝ている人が目覚ましをとめる。」

起床を制約する条件として、これほど危険なものはありません(笑) 何とかしたいところではありますが、新人さんのプライバシーに首を突っ込むのもどうかと思いますし、隣人の行動を管理することはかなり難しいでしょう。実行可能性の観点で、課題からは除外したほうが良さそうです。

 

成立条件

成立条件はどうでしょうか。「快適なベッドがあるのが寝坊の原因だ!」

何だかストイックな原因分析ですが、この原因に手を打ってくる新人さんを見たことがあります。家に帰らず、会社に泊まるという禁じ手です。

あり得ない話ではありませんが、昨今のセキュリティー事情を鑑みると、優先順位(重要度×緊急度)の重要度にひっかかりそうです。新人さんの寝坊問題のために、会社のセキュリティーをないがしろにして良いのか、ということになりそうです。

少し突飛な解決策として、一時話題となった「JR乗務員の空気式強制起床装置」があり得ます。起床時間になると背中の部分がせり上がってきて、強引に起こすという装置です。

この装置を一般向けに改良した商品が販売されていますが、約10万円と高額です。新人さんが購入に同意すれば良いのですが、費用対効果という意味で、課題からは外したほうが良さそうです。

 

4.まとめ

こうして一つひとつ原因を検証していくと、プロセスを課題として捉えて、目覚ましを増やすという解決策は良いと思うのですが、いかがでしょうか。

細かい検証方法については賛否があって良いと思いますが、大切なことは、問題解決をする際にきちんと問題を構造的に捉えて合理的な判断を下すということです。

今回は問題解決を身近に捉えるために、「寝坊問題」という簡単なテーマで考えてきましたが、次回以降はもう少しビジネスよりのテーマや、難しいテーマをピックアップしていきたいと考えています。

最後までお読み頂きありがとうございました。
 

この記事を書いた人
中川 渉
株式会社PIS(ピース) 代表取締役。石川県金沢市生まれ。大阪大学工学部を卒業。㈱日本エルシーエーに入社し、住宅不動産のコンサルタント、研修事業の事業部長、執行役員を務める。㈱SPRIXに転職し、ヒューマンリソース部長、コンテンツ開発部長、新規事業室長を務める。2013年に株式会社PISを設立し、管理職研修を中心に年間150~200回の研修講師を担当する。

 

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