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部下育成を通じて上司が成長するための5つのポイント

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中国の書経に、「教えるは学ぶの半ば(なかば)なり」という言葉があります。人に何かを教えるとき、半分は自分にとっての勉強にもなるという意味です。

部下育成には大変な労力が必要ですから、半分と言わず、全てを上司自身の成長につなげたほうが良いでしょう。そこで今回は部下育成を通じて、上司自身が成長するためのポイント、つまり「内省の仕方」について考えてみたいと思います。

1.自分の知識を見直す

これが一番ポピュラーな内省の仕方でしょう。

知識や経験を整理する過程で、自分が曖昧にしてきた部分や抜け漏れをチェックし、不足があれば勉強し直す。「教える」が「学ぶ」に変わる瞬間です。

学び直す過程が抜けると、「教える」が、単に知っていることを説明するだけになりかねません。説明しただけで、自分が成長することはありませんので、自分が説明するだけの人になっていないか、ときどき振り返ることが大切です。

自分が成長するために、自分の知識を見直していきましょう。

 

2.無意識にやっていることを、意識化する

優秀な人にありがちですが、成果を上げるための行動を、無意識に行っていることがあります。その人にとってみれば、その行動は当たり前過ぎて、教えるべき内容として認識できていない。

無意識で実行していることを教えられないだけならまだしも、優秀な人が意識しないとできないことを、まだ仕事ができない部下や若手に、教え込むとどうなるでしょうか。難しすぎて、理解できず混乱する可能性があります。

ですから、成果を出している上司ほど、自分が意識していることだけではなく、無意識で行っている行動も丁寧に洗い出して、部下に教えていく必要があります。無意識で行っていることでも、1つひとつ丁寧に時系列で洗い出せば、意識することができるでしょう。

無意識にやっていることを、可視化してはじめて、体系的な教育が可能になります。

 

3.高いクオリティーでやって見せる

指導方法の1つに、上司がやって見せるというものがあります。

しかし、懸命にやって見せても、自分(部下)と上司の違いに気づくことができない、観察力が低い部下がいます。鈍感な部下を持つと、「あいつはわかっていない」など、残念な気持ちになるのも致し方ありません。

このときに取り得る行動は2つ。

部下の観察力を上げるべく指導するか、観察力がない部下でも気づける、大きな違いを見せるか。どちらも間違えではありませんが、「違いをよく見ろ!」という指導は、部下からすると少し窮屈な感じがします。

100mを10.5秒で走る人が、100mを10.4秒で走る人を参考にしたいと思うでしょうか。100mを9秒台で走る人から学ぼうとする。それが普通の感情ではないでしょうか。

ときには、上司としてのプライドをかけて、大きな違いを見せるというのも、指導のあり方ではないかと思います。尚、「小さな違いに気づくことができる部下」は、放っておいても伸びるタイプの部下でしょう。

教えながら、上司自身の仕事のクオリティーも上げていきましょう。

 

4.自分とは違う成長の仕方を考える

上司と部下は別の人間です。性格、価値観、得手不得手など、あらゆる面で違いがあります。

ですから、同じことを学ぶ(What)としても、最適な学び方(How to)が異なることがよくあります。1つひとつ丁寧に分析しながら学びたい部下もいれば、とにかく体を動かしながら行動を通じて学びたいという部下もいるでしょう。

自分(上司)とは違う成長の仕方を考えてあげて、指導していくこと。これが指導者として難しいところでもあり、醍醐味でもあります。

具体的な方法論は割愛しますが、

・部下の習熟度に合わせて指導するなら「SL理論」
・部下の性格に合わせて指導するまら「コミュニケーションタイプ」

あたりが参考になると思います。

自分と同じ成長軌道を描かない部下を持ったときが、「教える」を「学ぶ」に変える好機です。そこを乗り越えることができれば、多様な部下をマネジメントできる、優秀な管理職になることができるでしょう。

 

5.部下にやれと言ったことを自分がやっているか確認する

管理職になると、人材育成やマネジメントで何かと忙しくなり、やるべきとわかっていることでも、やりきれないことが出てきます。

そして、自分(上司)が徹底できていないことを、部下に指導できない人がいます。自分がやれていないので、部下に遠慮して言えない。自分のことを棚に上げることができない人は、ある意味で真っ当な神経の持ち主かもしれません。

ですが、こうした人は上司としては失格です。上司がやるべきことをやらない、部下もやらないでは、成果が出ません。

ですから、一旦自分のことは棚に上げて、部下にやれ!と指示しなければなりません。やるべきことを次々に部下に指示し、心の奥底で「自分もやるべきことをやるための時間を捻出しなければならない。」と内省を繰り返してこそ、自分の成長も、部下の成長もあります。

 

6.まとめ

自分でやったほうが早い。部下に教えても時間がかかるから、時間の無駄だ。

この考え方は、教える過程で自分(上司)が成長しないことを前提にしているのではないでしょうか。教える過程で自分が成長できると確信していれば、このような考え方にはならないと思うのです。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。
 
・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/wataru.nakagawa.18(フォローしていただければ、最新の記事をタイムラインにお届けします)
 

この記事を書いた人
中川 渉
株式会社PIS(ピース) 代表取締役。石川県金沢市生まれ。大阪大学工学部を卒業。㈱日本エルシーエーに入社し、住宅不動産のコンサルタント、研修事業の事業部長、執行役員を務める。㈱SPRIXに転職し、ヒューマンリソース部長、コンテンツ開発部長、新規事業室長を務める。2013年に株式会社PISを設立し、管理職研修を中心に年間150~200回の研修講師を担当する。

 

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