人のアドバイスを聞くときにやっておいたほうが良いこと

新人に限らず、ベテランであっても人のアドバイスを聞くことは重要なことである。

人は時に自分よりも自分のことをよく知っている。有用なアドバイスほど、その人の成長にとって重要な事はない。

しかし、「アドバイス」を受けることは、存外難しいものである。素直に聞くことができなかったり、自分に置き換えることができなかったり、アドバイスを活かすのはそれなりのテクニックを必要とする。

ここでは、人に教えをうけるテクニックとして、「アドバイスの聞き方」を紹介する。

■ アドバイスを受けるときに必要なこと

アドバイスを最も効果的にするのは、受けたアドバイスを咀嚼し、実行に結びつけた時である。
このプロセスを分解すれば、

  1. アドバイスをしてもらう準備
  2. アドバイスを受け取る
  3. アドバイスを理解する
  4. アドバイスを活かす

という4つのプロセスとなる。

 

1.アドバイスをしてもらう準備

アドバイスをしてもらう準備の第一は、「メモを用意する」ことである。これは、自分の記憶の定着というだけではなく、「聞く姿勢」を相手に見せることで相手が話しやすくなるという効果もある。

また、アドバイスを受けるにあたっては「時間」が必要であると認識し、相手にまとまった時間をもらうことである。10分、15分簡単なアドバイスを受けるというのも悪くはないが、最低30分はほしい。時間を確保することで、知りたいことを知り、更に質問できる時間的余裕が生まれる。

 

2.アドバイスを受け取る

「アドバイスをしてもらうこと」と、「アドバイスを受け取ること」は、似ているようで全く別のものである。

いくら相手が良いことを言っても、あなたがそれを受け取る準備ができていなければ、それはアドバイスを受けていないことと同義である。

したがって、「アドバイスを受け取る」とはどういうことかを理解し、体現する必要がある。それは、「アドバイスは批判的思考を一旦封じ込めて受ける」ということだ。アドバイスを批判的に聞くことは、最もやってはいけない行為で、かつ時間の無駄である。

アドバイスを受けるのであれば、一度「仮に相手が全て正しいことを行っているとしたら、私はどのようにすればよいのだろう」と考える。そこから初めてアドバイスを本当に役立てる準備ができる。

アドバイスを受けるときは、徹底して相手と議論してはいけない。相手の意見を批判してはいけない。相手の意見を疑ってはいけない、を貫かなくてはいけない。

 

3.アドバイスを理解する

アドバイスは相手の価値観に従って行われるため、あなたは理解できないことが多いかもしれない。

例えば「とにかく、社内営業を頑張れ」と先輩がアドバイスをしてくれたとしよう。

批判してはいけないので、まずは「社内営業は必要」と定義する。ここまでは必ずやること。その上で、疑問となる点を明らかにする。先輩は社内営業をやり慣れているかもしれないが、あなたはやり方を知らないからだ。

したがって、「社内営業とは何をすることでしょうか?」「社内営業をうまくやるには?」「社内営業の具体例は?」と、きちんと質問をする。まず「先輩は正しい」とすることで、アドバイスの会話は弾むだろう。

すると、多くの場合「なぜこのようなアドバイスをしたか」が腹落ちする。人は、質問を通じて納得するものである。たくさんの質問をすればするほど、納得感が上がるだろう。

たとえアドバイザーの人が質問に答えられなかったとしてもがっかりする必要はない。後で自分で考えればよいのである。

 

4.アドバイスを活かす

アドバイスは、そのままの形で仕事に活かすことは難しい。

アドバイスの中身を吟味し、まずは必要だと思われる部分だけ、取捨選択して行えばよい。成功するときもあれば失敗するときもあるだろう。

しかし、「自分で考えて試してみる」という行為なしにはノウハウは血肉とならない。これは読書、あるいはセミナーも同じである。

本質的にはビジネス書の読書は必要な部分だけ行えばよい。だが、読んだだけではダメで、それを考えて実行することからノウハウを得るのである。

セミナーで習ったことをすべて行う必要はない。だが、セミナーで習ったことをやってみなければノウハウは手に入らない。
試して、アドバイザーにフィードバックしよう。そうすればあなたもアドバイザーも成長できる。

 

■ まとめ

すべきことを説明してきたが、以下に箇条書きとしてまとめる。

  • メモを用意する
  • 時間を予めしっかりと確保する
  • アドバイスを聞いている最中は批判的思考をしない
  • 会話を盛り上げる
  • 質問する
  • 試す
  • アドバイザーにフィードバックする

最後までお読み頂き、ありがとうございます。