マネージャーに昇進する前にやっておくべき4つの事

こんにちは、株式会社(PIS)ピースのブログからお届けしています。今回はマネージャーに昇進する前にやっておくべきことについて考えていきます。

マネージャーに昇進すると、業務の内容、種類は大きく変わります。

マネージャーになれば、マネージャーの大変さはすぐにわかるのですが、どういうわけか部下という立場にいるときには、上司が案外頑張っていることに気づけません。マネジメント業務の多くが「目に見えない」ものであることが、気づけない最大の要因でしょうか。

マネジメント業務が見えていないだけに、いざ自分が昇進してマネジメント業務に向き合ったときに、課題を抱えることになってしまいます。

部下の立場にいるときに準備を進めておき、良いマネジメントができるにこしたことはありませんので、基本的な準備内容について記載していきます。参考になれば幸いです。

1.上司の仕事を奪い、マネジメント業務を練習しておく

1-1.マネージャーの事務業務を練習しておく

どの会社にも、報告書作成、申請書類作成、管理帳票・データベースの入力などの事務業務が存在し、マネージャーに昇進した途端に事務作業が増えます。

これがなかなか曲者で、書類の種類、書き方、報告フローなど覚えることがそれなりにあります。こうした事務作業に時間を使うことになるのですが、事務作業は時間がかかる割に、成果を生みませんから、一生懸命頑張ったところで評価されるわけではありません。

一番避けたいのは、事務作業に集中してしまい、部下とのコミュニケーションを疎かにすることです。部下とのコミュニケーションの重要性は誰だって理解しているのですが、その時間がとれない。

そうこうしている間に昇進後半年が経過し、チームの基礎が悪い形で固まってしまう。これが昇進後によくある間違いパターンではないでしょうか。

上司と相談して作業をふってもらい、マネージャーの事務作業を練習しておきましょう。

 

1-2.ミーティングの練習をしておく

部下の立場でもミーティングの一部を取り仕切ることはあると思いますが、上司としてのミーティングというのは、また少し違ったものになります。

上司が行うミーティングでは、チームの成果に責任を負って判断、指示をしなければなりません。部下の立場で行うミーティングとは、ミーティング参加者の反応が異なるのです。部下は上司の判断、指示に従わなければなりませんから、反発する部下もいるでしょうし、声に出さなくても不満そうにしたを向いたままの部下もいるでしょう。

ミーティング時の部下の反応は、上司としてとても気になるものです。部下が納得していないくても、やってもらわなければならないときもあります。上手くいかなければ強いストレスがかかるものなのです。

ミーティングの手法がどうのこうのという話ではなく、部下の行動に大きな影響を与えうるミーティングを体験としておくと良いと思うのです。経験すれば、自分のミーティング運営時の課題が少なからず理解できます。

上司と相談して、それなりに「シリアス」なテーマを扱うミーティングを練習しておきましょう。

 

1-3.人材育成を練習しておく

昇進すると人材育成が自分の主要な業務となり、複数人の部下を持つことになります。

人材育成の経験が乏しく、昇進前に1人も育てたことがない人にとって、いきなり複数の部下を育成するのは大変なことです。1人を一人前に育成することですらなかなか大変なのに、経験がまったくない状態では太刀打ちできません。

育成と同時にチームとしての成果や、プレーイングマネージャーであればプレイヤーとしての成果も出さなければなりません。

人材育成で悩んでいる間に、半年、1年が過ぎ、気が付けばチームとしての成果も出ていなかったという経験をしたマネージャーは世の中に5万といるのです。

上司と相談して、まずは1人を育てる練習をしておきましょう。

 

2.仕事がしやすい環境を作っておく

2-1.相談できる先輩マネージャーを探しておく

マネージャーになるとちょっとした相談がしにくくなるものです。変なプライドを捨てたとしても、周囲の手前、これは知っておかないとまずいことなのかな?などと小さなことで悩むこともあります。新任マネージャーの心境は、新入社員として入社したときの感覚に近いものがあります。

自分の上司に聞きにくいこと、相談しにくいこともあるでしょうから、気軽に相談できる先輩マネージャーを探しておくと良いでしょう。

 

2-2.昇進後、自分の上司、部下となる人とコミュニケーションをとっておく

直前まで人事情報が伏せられている場合が多いと思いますが、ある程度情報収集しておけば、誰が上司になるか特定できる場合もあると思います。

会社、人ごとに様々な環境が想定されますので、簡単にはいかないかもしれませんが、上司候補と思われる方とよくコミュニケーションをとっておくにこしたことはありません。(正確に言えば、昇進予定ではなくとも、上司の上司や、将来上司となり得る人とコミュニケーションをとっておくことは重要です。)

未来の部下についても同様にコミュニケーションをよくとるようにしておきます。仮に予測が外れて、想定した人物が部下にならなかったとしても、あてが外れた方も部下と同じ年代、階層であることが多いでしょうから、部下の理解を深める上でコミュニケーションをとることに意味はあります。

ただし、変な根回しをしたり、噂話の収集に躍起になることは避けないところです。マネージャーになる前から、周囲に変な誤解を与えかねませんので注意が必要です。

 

2-3.他部署の人間とよくコミュニケーションをとっておく

昇進すればするほど、業務範囲が広くなり、他部署の方と仕事を一緒に進める機会が増えていきます。1人の力、自チームの力だけでは如何ともしがたい業務や課題を目のあたりにすることになります。

プレイヤーとして優秀な人ほど、スタンドプレイヤーであったりするものです。身に覚えのある方はコミュニケーションをとる「相手の幅」を昇進前から広げておくと良いでしょう。

 

3.自分なりの心の準備をしておく

3-1.マネージャーになるメリットを考えておく

本来、マネージャーになりたいと思った人間だけがマネージャーになるべきです。義務感だけでマネジメント業務を行っている上司の、部下になってしまった人の気持ち、マネージャーになりたくてもなれない人の気持ちというものがあります。

とは言え、会社の都合、個人的な都合でマネージャーにならざるを得ない方もいるでしょう。

いずれにせよ、折角マネージャーになるのですから、マネージャーになる目的だけではなく、メリットも考えておくと、マネジメント業務に対するモチベーションも変わってくるのではないでしょうか。

以下、一般的な「マネージャーに昇進するメリット」を記載します。

  • チームで自分の色が出せる
  • 処遇、待遇が良くなる(ことが多い)
  • 肩書を持つことができる
  • より多くの人間と関わることができる
  • 人材育成に関わることができる
  • より会社にダイレクトに貢献できる(方針に関わることができる)
  • 自分で判断できる領域が増える
  • より多様な方法で顧客、社会に貢献できる
  • より自分を成長させることができる

 

3-2.「どんなマネージャーになりたいか」「どんなチームにしたいか」を考えておく

昇進後は新しく取り組む業務があるため、目の前の業務に追われる可能性があります。昇進前に、自分なりにどんなマネージャーになりたいのか、どんなチームを作りたいのかを考えておくと、最初の半年、一年が違ったものになるでしょうか。

理想像の描き方はいろいろあって良いと思いますが、今の上司、チームの良いところ、課題を洗い出すことで考えるヒントにすることができます。最初は、自分なりの理想像と言ってもピンと来ないかもしれません。身近な事例を参考に組み立てていくと良いでしょう。

 

3-3.お手本となるマネージャーを探しておく

自分の今の上司に加えて、お手本になるマネージャーを探しておき、そのマネージャーの考え方、姿勢、行動を参考に、自分のマネジメントスキル向上につなげます。

上記のような作業を通じて、マネジメント業務に対するマインドシェアを少しずつ上げておくと、いざマネージャーになったときに慌てずに対処できることが増えるのではないでしょうか。

 

4.仕事の仕方を変えておく

4-1.プレイヤー業務の生産性を上げておく

初めて部下を持つ立場に昇進する場合、ほとんどの方がプレーイングマネージャーになることが多いと思います。プレイヤーとしての成果も、引き続き求められ、かつマネジメント業務を行うことが求められます。

プレイヤーとして求められる成果の量(インパクト)が、プレイヤー時代より少なければマネジメント業務も余裕を持って行うことができますが、昨今の傾向としては、昇進してもプレイヤー時代と同じぐらいの成果、もしくはより大きな成果を求められることが多いでしょう。

したがって、マネージャーになった後は、より少ない時間で、より大きな成果を「プレイヤー」として求められます。マネージャーになった後で、新たにマネジメント業務を覚えながら、プレイヤーとしての生産性を上げるのはなかなか大変です。

今のうちに、プレイヤーとしての生産性向上に取り組んでおくことが好ましいです。

 

4-2.会社・他部署のことをよく知っておく

マネージャーになると、仕事の幅が広がり、他部署の方と仕事をする機会が増えたり、今までより会社全体に関わることが増えます。

他部署の人間と幅広くコミュニケーションをとることになりますが、他部署の人間にしてみれば、立場が変わった途端に関心を示されても「仕事でやっているんだな」と思ってしまうでしょう。

マネージャーになった後で仕事と割り切ってお互いコミュニケーションをとるより、昇進前の常日頃から意見交換できているほうが、良い関係を築くことができるでしょうし、業務に必要な情報が入ってきやすいでしょう。

 

4-3.メモ、スケジューリングの仕方を変える

部下の立場でいるときは、上司から言われたことを覚えておく必要がありますが、昇進するとそれに加えて、自分が部下に言ったことを覚えておく必要があります。

自分が出した指示を忘れるはずがないと思うかもしれませんが、指示の内容はともかく、納期より手前で進捗確認をするのが、案外大変です。どうしても進捗確認が納期ギリギリになってしまい、部下が納期遅れを起こすことになります。

部下の立場で思いだしてみましょう。納期直前で上司が仕事を振ってきたり、進捗確認がまったくなかったのに、納期当日に「あの仕事はどうなったんだ!」と言われてみたり。

自分が言ったこと、自分がお願いした業務に関しても、メモをとり、進捗確認のタイミングをスケジューリングする習慣をつけておくと良いでしょう。

 

4-4.同僚、後輩との関わり方を変えておく

部下の立場でいるときは、同僚や後輩と一緒に、会社や上司の愚痴を言ったりするものです。マネージャーに昇進して、今までとまったく違う人たちが部下になるのだれば問題は起こりにくいのですが、今のチームの同僚や後輩が自分の部下になることもあります。

今まで一緒に愚痴を言っていたが人間が、マネージャーになった途端、急に正論を言っても誰もついてきませんし、真面目に話しているのに「あなたも本当は会社に不満があるんでしょ」というスタンスで部下が接しています。

少しずつでも良いので、周囲との関わり方を変えておくと、スムーズにマネージャーとして認めてもらうことができます。

 

■.まとめ

いかがでしたでしょうか。これだけの内容を昇進を告げられてから昇進するまでの期間に行うのは難しいかもしれませんが、少しでも準備をお進めておき、楽しいマネジメントライフを過ごせるようにしましょう。

昇進直前でなくとも、将来マネージャーになりたいという方は、少しずつ準備を進めていきましょう。
 
・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/wataru.nakagawa.18(フォローしていただければ、最新の記事をタイムラインにお届けします)
 

この記事を書いた人
中川 渉
株式会社PIS(ピース) 代表取締役。石川県金沢市生まれ。大阪大学工学部を卒業。㈱日本エルシーエーに入社し、住宅不動産のコンサルタント、研修事業の事業部長、執行役員を務める。㈱SPRIXに転職し、ヒューマンリソース部長、コンテンツ開発部長、新規事業室長を務める。2013年に株式会社PISを設立し、管理職研修を中心に年間150~200回の研修講師を担当する。
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です