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「理科系の作文技術」に学ぶ、わかりやすい文章の書き方

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webが広く利用されている現代において、文章を生み出すスキルは非常に重要な意味を持つ。

なぜなら、webの入り口たる「検索エンジン」は未だ言葉によって検索され、またwebコンテンツのほとんどはテキストデータだからだ。

「何かのイメージ」や「写真」などで検索をかける技術が発達すれば、また異なる様相も見えてくるかもしれないが、現在では文章を制することは、webを制すると言っても過言ではないだろう。

主張や訴えは、文章化されることで初めて検索され、人々の目に止まる。文章力は重要なスキルとなった。

ところが、わかり易い文章がだれにでも書けるかといえば、そうではない。文章を書くことは、プログラミングのように一定の訓練のもとに身につくスキルである。

それでは、どのような訓練でこの「文章力」が身につくのだろう。

 

文章力をつけるには「理科系の作文技術」という本に学ぶ

そのように悩む方に良い指針がある。「理科系の作文技術」という本だ。

この書籍は1981年に刊行されたが、本質をとらえたその内容により版を重ね、現在では累計100万部近い部数が発行されている、隠れたベストセラーである。

そして、個人的にその内容の中でも第二章の「準備作業」と、第三章の「文章の組み立て」という章は白眉であり、これを学ぶことでわかり易い文章を書く基本的な技術を学ぶことができる。

今回はこのベストセラーの内容を若干引用しながら、ブログなどに応用できるわかり易い文章の書き方を述べたい。

 

文章の構成

日本においては「起承転結」という結論を最後に持ってくる書き方があるが、この書き方はブログや理科系の作文にはそぐわない。

読み手が知りたいのは「結論」とその「裏付け」であり、小説のようなストーリーではないからだ。

理科系の作文技術の著者は「目的規定文」を書き、その上で「序論、本論、結び」の3つで構成せよ、と述べる。

 

1.目的規定文

何もない白紙のノート、あるいはWord、テキストファイルかも知れない。とにかく何か書けるものを前にして、あなたは何から書くだろうか。

(理科系の作文技術の引用)
「主題をはっきり決めたら、次に、自分は何を目標としてその文章を書くのか、そこで何を主張しようとするのかを熟考して、それを一つの文にまとめて書いてみることを勧める。」

すなわち、あなたが考えた主張から書くのである。

例えばこうだ。「仕事の優先度は、期限と難易度から決定せよ。」

このような主張を書き出してみる。この一文を、著者は「目的規定文」と呼んでいる。

当然のことながら、この主張が説得力を持つためには、自分自身が見解を持つ、経験分野について書くことが最も良い。

ブログが面白いのは、その文が「記者」によって書かれたものではなく、「当事者」によって書かれたものだからだ。

 

2.序論の構成

目的規定文を書いたら、つぎに序論、すなわちリード文にとりかかる。

(引用)「序論はエッセンシャルな部分ではない。(中略)序論はみじかく、みじかくと心がけて書くべきものである。」

リード文は短く書かなくてはいけない上、読み始めの読者の興味を惹かなくてはならない部分であるが故に非常に書くのが難しい部分である。

ここで書かなくてはいけないのは、「なぜあなたはこの文章を読まなくてはならないか」を説得力を持って言うことである。

本記事のリード文をご参照いただきたい。文章力が必要な理由を最低限の語数で語っている。

 

3.本論の構成

(引用)「まず大づかみな説明を与えて読者に概観を示してから、細部の記述に入る。」

本論は、まず全体の概要を述べる。本記事においては、

理科系の作文技術の著者は「目的規定文」を書き、その上で「序論、本論、結び」の3つで構成せよ、と述べる

の部分が概要である。

これを示すことで、読者は安心して一つ一つのパートについて、全体との関連の中でそれを理解できるようになる。

結論を述べた後は、詳細を説明する。その際に事例、喩え話を混ぜると分かりやすい。本記事では、この文そのものが喩え話になっており、読者が読み進めるだけでよい。

そして、続けて本論は

  • 従来の説の欠点を述べてから、自説を主張する
  • 幾つかの事例を上げて、それによって自説を導く
  • 誰でも受け入れられる論点から初めて、クライマックスで自説を強く打ち出す

という3つの流れのいずれかで、書き進めるのが良い。

そして、本論と事例の後に、改めてまた結論を述べる。本記事では最も後ろの「5.結び」という項目がそれにあたる。

ここでもう一度読者に念押しし、記憶に残してもらうのである。

 

4.文章の推敲

「推敲」という言葉がある。よみは「すいこう」である。推敲は文章のつくり手にとってもっとも重要な作業の一つである。

その目的は「削ぎ落とすこと」。

すなわち、本論と関係のない記述や、不要な装飾をできるだけ減らすことで、筋肉質な文章にすることである。

「理科系の作文技術」においては、簡潔な表現に重要なのは

  • 文は短く
  • 分の頭(誰が)と、足(と考える)を必ず表記する
  • 修飾語の場所などに工夫し、誤読のないような表現をする

の3つを挙げている。また、

  • 漢字の多用をひかえる
  • 難解な漢字をひかえる
  • 受身文をひかえる

など、細かい部分にも配慮するよう薦めている。

 

5.結び

結びの役割は、以下のとおりである。

  • 本論の主なポイントを簡明に列挙
  • ポイントの重要性を強調し、将来への発展の道を示唆

したがって、本記事の結びは以下のとおり。

  1. 目的規定文を書く
  2. 序論は「なぜあなたはこの文章を読まなくてはならないか」を短く説明。
  3. 本論は概要から入り、詳細に至る。
  4. 推敲し読みやすくする。
  5. 結びでもう一度重要な部分だけ強調

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

この記事を書いた人
安達裕哉
経営・人事・ITコンサルタント。ティネクト株式会社代表取締役。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間経営コンサルティングに従事する。1000社以上の大企業、中小企業にIT・人事のアドバイザリーサービスを提供し、8000人以上のビジネスパーソンに会う。自身の運営するブログ「Books&Apps」は月間PV数150万以上。
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