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異なる価値観の人たちをチームとしてまとめる技術

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会社の持つ「知識」が非常に重要な意味を持つようになった現在では、自社だけで必要なノウハウを全て賄おうとするのは現実的ではありません。

例えば一つのウェブサービスをリリースしようとするときに必要な知識を列挙してみると、以下のようになります。

  • マーケティング
  • ファイナンス
  • ソフトウェアコーディング
  • インフラ
  • ライティング
  • デザイン
  • SEO

もちろん、上に挙げた知識が全てではなく、この他にも数多くの知識が必要となります。

そして、ここで問題になるのは「チームをどのように作るか」ではないでしょうか。

背景をある程度共有している自社の社員でチームを構成することはともかく、他社の専門家、フリーランサー、企業家、投資家など、チームには背景を共有していない方々も数多く存在し、彼らに一つの方向に向かって協力してもらわなければなりません。

そこで本稿では、「異なる価値観の人たち」を一つのチームにまとめるための技術をお伝えします。

1.誰をチームに引き入れるか

高度な技能を持つ人達は、「お金」だけでは動きません。「高額な報酬を出すから、こっちの仕事をしてくれ」と誘引しても、結局は彼らは去っていってしまいます。

彼らの仕事の中心原理は、「仕事の面白さ」です。

「誇れるような仕事をしたい」
「納得の行く仕事のやり方をしたい」

この2つが、彼らを駆り立てるのです。

したがって、チームを構成する際に必要なのは、この2つの原理を中心にチームを組み上げることです。まず検討すべきは

・目標を共有できるか
・手段を共有できるか

となります。目標・手段を共有できない場合には、チームメンバー間でお互いへの敬意を抱くことは難しくなります。同一の目標、同一の道程を納得感を持って共有できた際には、チームは100%のパフォーマンスを発揮できます。

そこで重要になるのが、「誰を引き込むか」です。

「あとから変えることのできない価値観」は、チーム結成時に見極める必要があります。

では目標と手段を共有できる人を、どのように見分ければよいのでしょう。具体的には、「目標と手段を共有できるか」を検証するために、彼らに幾つかの質問をしてみましょう。

・苦しい時にどのように反応するか
苦境に陥った時、どのような対応を取るかは、人によって異なります。粘り強く諦めない人、さっさと見切りをつける人、条件付きで継続する人などです。これらに正解はないため、プロジェクトリーダーの考え方によって誰を採用するかを決定すればよいでしょう。

・長期指向と短期指向
プロジェクトの結果が出るまでの期間をどの程度と考えているか、これも重要な判断基準です。できれば、プロジェクトのKPIとKGIをどのように設定すべきかを彼らに聞き、他のメンバーと同じような考え方をとっている人物を引き入れましょう。

 

2.チーム運営に必要な4つのルール

さて、プロジェクトが始まれば、リーダーは彼らを一つにまとめ、チームメンバーの間で「敬意」と「信用」が保たれるようにしなければなりません。

どんなチームでも、この二つが守られなければ空中分解することになります。

そこで共有すべきルールの要件は、最低限で以下の4つです。

  • 日常の情報共有
  • ミーティングの方法
  • トラブルの際の報告方法
  • 各人の持つ権限

メンバーにとって、プロジェクトの状況が「知らされてない」「知ることができない」は、非常に大きなストレスとなります。効果的な意思決定の邪魔になるからです。時にはそれが「礼儀を欠いた行為」とみなされます。

したがって、チームで働くときに最もリーダーが気をつけなければならないのが、情報の流れと、意思決定の範囲です。この4つのルールを決めておくことで、恣意的な判断を防ぎ、各人への公平な「敬意」と「信用」が保たれるのです。

また、予め決めておいたルールから逸脱することやルール違反などの調停はリーダーが最も気をつけるべきことの一つです。

こう言った不測の事態は必ず発生しますが、原則は全てを「公開」することです。係争の様子を全て公開することで公平なやり取りを実現することができ、また、両者への裁定が公平であったことをチームメンバーに知らせることができます。

これは、チーム内で派閥を作ることを抑制する方法の一つです。

 

3.やってはいけないこと

したがって、チームを運営するときにやってはいけないことも自然に決まります。
大きくは以下の2つです。

・統制
・不透明性

各人には各人の仕事のやり方があります。高度な技能を持つ人達ほど、自分なりのやり方に自信を持っています。

従って、統制を行うことは「敬意を欠いた行動」とみなされ、チームへの不審につながります。必要なのは統制ではなく、「報告の方法」であり、結果が出ていないことに対しては「協調」、すなわち共同で問題解決に当たることです。

また、「不透明性」も前述したように不信感につながります。ある決定が合った時、彼らが最も知りたいのは「リーダーの意思決定の根拠」なのであり、それを知ることができれば、その決定がたとえ自分と異なる意見であったとしても納得感を得ることはできます。

プロセスの公開こそが、異なる価値観の人たちと一緒に仕事をする鍵なのです。

 

4.まとめ

今後、自分たちの会社組織外の人々と共に仕事をする機会はますます増えるでしょう。

その時、「共同して成果をあげる仲間」と彼らを見ることができるか、「下請け」と見るかによって、集まる人の質は大きく変わってきます。

もちろん、高い質の人が集まるのは前者です。

我々は「働き方」について、考え方を大きく改める時を迎えているのです。

 

この記事を書いた人
安達裕哉
経営・人事・ITコンサルタント。ティネクト株式会社代表取締役。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間経営コンサルティングに従事する。1000社以上の大企業、中小企業にIT・人事のアドバイザリーサービスを提供し、8000人以上のビジネスパーソンに会う。自身の運営するブログ「Books&Apps」は月間PV数150万以上。
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