こんにちは、株式会社ピースのブログからお届けしています。研修後記として、研修の現場で感じたことを徒然なるままに記載しています。今回は「悪いDNAは継承されやすい」という話です。
毎日のように研修をしていると、たまに遅刻をしてくる参加者がいます。先日も5年目社員の研修で、2名が遅刻してしまいました。
その企業様は誰もが知る大企業で、社員数何万人という会社ですが、会社の規模と社員の自己管理能力は比例しないのかもしれませんね。
2、3分の遅刻であれば人事部に少し注意をされるぐらいで済んだのかもしれませんが、その日の参加者は1時間以上遅れてしまいました。さすがに見過ごせなかったのか、昼食休憩中、人事部長から直々に呼び出しがかかり、その2名は1時間こってり絞られていました。
2名はとても反省し、他のどの参加者よりも集中して研修に参加しており、「遅刻はいけないが、むしろこのほうがよかったかもしれないのかなあ」などと、のんきに考えたりしていました。
これぐらいであれば笑い事で良かったのかもしれませんが、ここからが笑えません。
研修後、人事部の方と研修の反省会をしていたときのことです。
実は毎回同じ事業部の参加者が決まって遅刻をしてくるのです。今日実施された3階層の研修でそれぞれ遅刻者がいたのですが、全員同じ事業部の人間でした。
悪いDNAは簡単に継承されてしまうな、というおもいを新たにした出来事でした。
自分の部下は、自分の良い所は全然真似してくれないのに、悪いところばかり真似るのは何故なんだろう?
とこぼす管理職の方がよくおられます。理由はとても簡単です。
良いところを真似るには労力が必要なのに対して、悪いところを真似るには労力が全く要らないからです。
上司の良い所がコミニケーション能力であったとします。ビジネス上、効果的なコミニケーションを取るためには、スキルも必要ですし、考え方や経験も必要になってきます。つまり、真似をするのにも一定の労力が必要になってきます。
それに対して、上司の悪い所が遅刻することであったとします。遅刻を真似るのは一瞬でできてしまいます。
部下を預かる立場にいる人間は、このことをよく知っておかなければなりません。一生懸命部下を育成したとしても、自分の、もしくはチームの悪いところに対するガードが甘ければ、チームが一瞬にして崩壊してしまうことすらあり得ます。
いろいろと考えてるうちに、自分の若手時代を思い出しました。自分も似たような失敗をしてきました。
若気の至りと言うやつで、今から思えば大変恥ずかしい話なのですが、結果を出していれば社内の提出書類なんてどうでもいいという考えを持っている若手社員でした。
当時、コンサルティング会社にいた私は、月20日以上が県外への出張という状態で、正直、細かい書類を出す余裕がないという気持ちもありました。
そんなある日、私は人事部長に呼び出されました。書類の未提出が呼び出しの理由です。
普段は温厚な人事部長が、その日は厳しく私を叱責しました。
人事部長
「社員300名のうちその書類を出していない社員はたった3名しかいない。その1人がお前だ!」
「他の2人が誰かわかるか!」
私
「いえ、わかりません…。」
人事部長
「お前の上司と、お前の上司の上司だ!」
「お前の所でこの流れを止めろ!わかったか!」
今でも忘れられない出来事です。この日から自分の悪い所と真剣に向き合う日々が始まりました。
貴方の会社やチームの良いDNA、悪いDNAはどのようなものでしょうか。