原因分析のフレームワーク

こんにちは株式会社ピースのブログからお届けしています。

問題解決手法で1つ肝になってくるのは、原因分析から課題を設定するプロセスです。そこで今回は原因分析に特化して、フレームワークをご紹介していきたいと思います。
 

1.IPOと制約条件・成立条件

IPOとは、業務プロセスの根幹となる概念であり、インプット、プロセス、アウトプットの3要素からなるフレームワークを指します。

IPOに、制約条件と成立条件をプラスして原因分析のフレームワークとして活用していきます。

インプット 業務プロセスが開始するきっかけ。
プロセス 業務プロセス。5W2Hなどで定義される。
アウトプット 業務プロセスが終了したときの状態。
成立条件 ある事柄が成立するために必要な条件。
制約条件 ある事柄を妨げる条件。

 

ipo
 

事例で考えてみます。

前回同様、ネットショップで本を販売している事業者が、郵送するのに時間がかかってしまい、顧客からクレームが出てしまったという事例で考えていきます。

目標 注文から3日以内に本を郵送する。
現状 郵送するのに1週間かかり、納期に遅れてしまった。
問題 納期に4日も遅れたことは問題だ。

IPO+成立条件、制約条件で原因分析をまとめると以下のようになります。

 

IPO+成立条件・成約条件で構造化された原因
インプット顧客が本を注文した。
プロセス注文を受けて在庫を確認した。
在庫がなかったため、発注係に発注を依頼した。
発注係が出版社に発注をかけた。
出版社から本が届いた。
本を梱包し郵送した。
アウトプット=現状郵送するのに1週間かかってしまった。
制約条件リスクがあるため、在庫は少なくしておきたい。(内部)
出版社に発注をかけてから本が届くまで時間がかかる。(外部)
台風で交通が麻痺してしまった。(外部)
成立条件在庫がないのにもかかわらず、注文できるシステムになっている。

 
このように、原因分析を行うための切り口を最初から持っておけば、原因をわかりやすく構造化することができます。

なぜを5回繰り返したり、ホワイツリーで地道に分析するのも1つの手段かもしれませんが、原因の抜け漏れが起こる可能性があります。
 

2.フィッシュボーンと5つの経営資源

フィッシュボーンとは問題の原因を細分化して可視化し、それをベースに根本的な解決策を考えるために用いるフレームワークです。

 

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フィッシュボーンは、原因を細かく分析し、整理するためのフレームワークとしては優れていますが、図の「要素」に何を当てはめて考えればよいのかまでは教えてくれません。

そこで、フィッシュボーンに経営資源の5つの切り口をプラスしてフレームワークとして活用していきます。5つの経営資源とは、人、モノ、カネ、時間、情報のことです。

 
fish2
 

このように最初から要素を並べておけば、

人に関する原因はなんだろうか?
物に関する原因は何があるだろうか?

など、視点に沿って、原因を掘り下げることが可能になります。

問題解決に関するフレームワークはたくさん出回っていますが、実際に活用してみるとフレームワーク単体では使いにくいものもあります。

自分なりに当てはめながら、どのフレームワークが実際に活用しやすいのか考えながら問題解決を行っていくと良いのではないでしょうか。