会社における飲み会の上手な断り方

社内外の飲み会は、なかなかさけて通れないもの。

年配の中には「飲みニュケーション」こそが重要であると考えている人も多く、また、普段は見せない姿を飲みの場では見せてくれる人が多いのも事実である。

したがって、円滑な人間関係を築く一つの手段として、「飲み」という場を活用することは決して不合理ではなく、「飲み会を全て拒否」することはあまりお薦めではない。

中には上司の自慢や退屈な説教を聞くだけの場もあるかもしれないが、仕事を効率的にやるための投資と割りきって参加するのも悪くない。

だが、もちろん「全ての誘いに応じる」こともまた不合理である。会社の飲み会は実質的には「仕事」であり、
いろいろと気を遣うことも多い、疲れる場だからだ。

そこで今回は「ある程度の飲み会に参加」しつつ、「時にはうまく断る」ため、実際に私が見聞きした「うまいな」という断り方を紹介する。

 

飲みに誘う側の心境と、対応方針

まずは、飲みに誘う側の心境を理解する。
飲みに誘う側の人は、大まかに3種類ある。

  • 単純に酒を飲みたい人
  • 自分の話を聞いてほしい人
  • あなたの話を聞きたい人

1番目のタイプは人畜無害である。

単純に酒が飲みたいのだが一人で行くのは少し気後れする、あるいは大人数で飲むのが好きという人々で、それを断ったとしても会社員としての生活にあまり支障は出ない。友人を増やしたいなら、行っても良いし、面倒なら断っても構わない。

難しいのは2番、3番のタイプである。

「あなたに聞いて欲しい」や「お前に聞かせたい」、あるいは「様子を聞かせろ」という人々の誘いを断り続ければ、そのうちあなたは「とっつきにくい人物」として誰からも相手にされなくなってしまう。

仕事は一人で完結できるものがあまりない。したがって、相手にされなくなるのは会社員としては致命的である。

したがって、仮病、先約、トラブル等の言い訳はいくらでもあるが、「全く顔を出さない」のではなく、「回数をできるだけ減らす」に目標を切り替えることでかなり印象を良くすることができる。

では、これを踏まえたうえで、具体的な方法を紹介する。

 

断り方1 かなり先の方の日程を設定することで、近くの日程を断る。

例えば、現在は10月だとしよう。「今日は無理なんですが、12月の中旬くらいに飲みに行きたいと思っていたんです」と言うと、その間は誘われにくい。

もちろんあまり先だと「体の良い断り」にとられてしまうので、2カ月〜3カ月程度迄の期間にしておく。

場合によっては向こうが予定を忘れてくれていることもあり、そのままなし崩しに誘いが消えることもある。

ちなみに、そこで日程を決めようとする人は「仕事ができる」か「プライベートな誘い」である。前者なら迷わず一緒にいくほうがいろいろと役立つ。後者なら断り方4の「時間ができたら、こちらから声をかけます」と濁す。

 

断り方2 最初だけ顔を出して、1時間ほどで帰る。

大勢の飲み会の場合、なかなか断り切れない場合は、最初だけ顔を出して、1時間程度で帰る、という方法もある。

最初は大分全員の意識もはっきりしているが、お酒が進むといちいち全員をチェックする人はいなくなる。

迷惑をかけないよう幹事に早めに伝え、参加したという印象を保ちつつ、早々に引き上げよう。

特に政治家などは多数のパーティーへの招待があるため、この方法で印象を残しつつ長居しない、というテクニックを使う人が大勢いる。

 

断り方3 別の飲み会(勉強会)がありますので…と言う。

社外の勉強会に出ていて、交流会があるので…といえば、「飲み会に行く気の無いやつ」とは思われない。なおかつ、社外の人たちと勉強会をしています、と言うと仕事へのやる気を見せることにもなる。

ただし、ウソはあまりお薦めしない。

 

断り方4 今度、私から誘います。と言う。

やんわりと断りたい場合は、「こちらから誘う」といって、先の日程まで送るのも一つの手である。

目上の人には若干使いづらい部分もあるが、このように言うと誘われる頻度も減らすことができる。

具体的には、「今度の木曜日、空いてますか?夜に飲みに行きませんか?」と聞かれた場合に、「あ、スイマセン。その日はちょっと都合が悪いんですが…一緒には行きたいと思いますので、こちらから今度お誘いしてもいいですか?」と言った具合で言えば、角も立たない。

 

まとめ

飲みへの誘いをどう捌くか、は日本においては処世術の一つである。

とはいえ、「心の底から仕事場の飲み会が好き」という人はあまり見たことがない。結局皆、「面倒だけど、まあ有用な部分もあるし、頑張るか」と皆それなりに気張っているのである。

それを考えれば、あまりこちらの要求だけを通さず、ある程度は誘う側の頑張りに応えて参加してみるのも悪くはない。

要は、「全力で拒否」「絶対に参加しない」などの極端な対応を避ければ、なんとかなってしまうのだ。