会議というと、何かと嫌われ者のイメージがありますが、「会議」と名のつくものは全部無駄だ!というのも偏見です。
人と人がコミュニケーションを取る手段はたった30年前と比べてもかなり多様になりましたが、それでも「顔を突き合わせて話す」という行為に価値があることには変わりありません。会議を用いることによるメリットは数多くあります。
今回は、その会議をテーマにし「なくしても良い無駄な会議」と、「なくさないほうが良い会議」のちがいについて書きたいと思います。
1.なぜ会議を行うのか
なぜ会議を行うのか、と問われれば、前述したように「顔を突き合わせて話す」ことにメリットがあるからです。
では、もう少し突き詰めて考えてみましょう。なぜ、顔を突き合わせている必要があるのでしょうか。
それは、
- 「言語外のコミュニケーション」・・・身振り手振りや雰囲気などを含む、言語以外の要素により行われるコミュニケーション
- 「即時応答」・・・発信に対する反応がすぐに得られること
- 「同時多数コミュニケーション」・・・双方向で多人数が同時にコミュニケーションし合える
以上の3つを実現することが、会議以外ではむずかしいからです。
したがって本質的には、会議のメリットは上の状況から得られる3つのこと
- 文字、言葉だけでは伝えにくい概念の伝達
- アイデア創出
- 視点の多様性の確保
であると言えます。
2.なくしても良い会議
上に挙げた3つが、メリットとならないとき、会議は単なる「時間のムダ」になりがちです。例えば以下の状況が見られる会議はなくしても良いか、代案としてメールやメッセージアプリケーション、掲示板などに置き換えが可能でしょう。
単に伝達のみを目的としている
多くの定例会、報告会では、資料配布だけでわかるところをわざわざ会議にしています。そこが「対策」などを話しあう場ならアイデアが必要とされ、まだ良いのですが、多くの人の時間を拘束するメリットを享受できていない会議のほうが圧倒的に多いようです。
発言者がかたよっている
発言者がかたよっている会議は、上の「伝達のみを目的とする会議」とさほど変わりません。発言者をできるだけ分散させる工夫をするのであれば会議を行うメリットを享受できますが、多くの場合はただの「説教」となっており、生産性が低いと言わざるを得ません。
惰性である
議題と目的がしっかりと決まっていない会議は、「なんとなく集まっている」「今までやっていたから」「顔を合わせる機会が多いほうが良いから」という理由だけで続けられているケースもあります。会議は定期的に整理、統廃合が必要です。
人数が多すぎる
人数が多すぎると発言者が偏るうえ、参画意識が著しく低下します。
3.なくさないほうが良い会議
逆に「なくさないほうが良い会議」はどのようなものでしょう。
アイデアを必要とする場
対策会議、作戦会議などはアイデアが必要とされますので、会議が有効です。場合によっては多様性を確保するため、もう少しいろいろな人を巻き込んだ方が良い場合が数多くあります。
責任者の集まり
組織において、責任者同士の密なコミュニケーションは重要です。お互いの信頼関係により業務が成り立つケースも多く会議という場を使って結束を固めることも有効です。
重要な概念を伝達する場(ただし短く)
重要な概念はどうしても言葉だけでは伝えにくいでしょう。会議を使い意見を求め、議論を深めることにより初めて伝達が可能になる概念は数多くあります。
例えば、「既存顧客重視に舵を取る」という決定を伝えるとします。この場合既存顧客とは?重視とは?という概念について議論を深めると概念が伝わりやすくなります。
納得感の醸成が必要なこと
一方的に伝えるだけでは納得しない人々が組織には数多くいます。質問できる場面を設定することで、納得感は強くなります。
4.まとめ
顔を突き合わせて話すことのメリットを理解していれば、比較的会議の選別は簡単にできるでしょう。
一度あなたの職場でも、「会議の取捨選択」を行ってみてはいかがでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。