こんにちは、株式会社ピースのブログからお届けしています。こちらは「成長速度を加速させたい」と思っている若手社員向けのシリーズです。
「学ぶ」の語源が「真似る」であると言われているように、学習の基本は真似る=モデリングすることにあります。モデリングそのものはありふれた考え方ですが、少し掘り下げるとモデリングの方法も人によって様々です。
そこで、今回はモデリングを行う際の要点を考えていきます。
モデルの対象となる人を複数設定する
自分の成長を加速させるために、モデルを設定していますか?
若手研修でよく参加者に質問しますが、半数以上の若手社員がモデルを設定していないということが多いです。理由を聞いてみると、以下のような回答が返ってきます。
考えたことがなかった
尊敬できる人が身近にいない
性格、年齢、能力が違うので、モデルになる人がいない
考えたことがなかった人は、これから考えてモデルを探せば良いですが、尊敬できる人・モデルになる人がいないという状態は好ましくありません。
モデルが設定できていない若手社員の話を聞いていると、「自分にとっての完璧なモデル」を探そうとしているように聞こえます。世の中に完璧な人間などいませんし、自分の価値観に照らし合わせた上で完璧な人など、そういるものではありません。
モデルを1人に絞るのではなく、リーダーシップはAさんをモデルに、営業力はBさんをモデルに、段取り力はCさんをモデルに、といった具合に能力・目的に応じて、モデルを複数設定することが好ましいです。
先輩社員や上司の仕事の仕方を参考にして叱られることはありませんから、欲張って複数のモデルを設定すれば良いのではないでしょうか。
モデルを複数設定し、真似ることで次々と新しい考え方、やり方を吸収する。何だか自分のスキルのレパートリーが増えるみたいで、実際にやってみるととても楽しい作業であることがわかります。
自分とは考え方・やり方が違う人もモデルにする
自分と同じ性格、考え方の人をモデルにするのは簡単です。心地が良いし、真似もしやすい。
しかし、同じパターンの学習だけでは、飛躍的な成長は望めません。あえて、自分とは性格、考え方、やり方の違う人をモデルに設定し、そのモデルを真似てみる。自分の幅を広げる一つの手段となり得ます。
自分とは違うだけに、真似てみても上手くいかないことも多々ありますが、いつもの自分とは違う考え方、やり方をしてみることで、他人のやり方の背景にある考え方、価値観に触れることができます。
自分とは異なるタイプの人間と仕事を進める上で、貴重な経験になることは間違いありません。
自分はタスクマネジメントは上手だけど、人をリードすることが不得手であれば、あえてリーダーシップが強い人をモデルに設定して学習していく。不得手なだけに、自分1人で悶々と悩んだり、本を読んだりするだけでは、なかなか身につかない能力というものがあります。そういったときにこそ、身近な人間から話し方、行動の仕方などをつぶさに吸収していくのです。
実際にモデリングを行う
モデルに設定した人といる時間を長くする
実際にモデリングを行う際は、モデルに設定した人と一緒に過ごす時間を長くします。一緒にいる時間が長いと表面的な部分だけではなく、話し方、行動の仕方の背景にある考え方もよく理解できるようになります。
モデリングに失敗する人に多いパターンは、モデルといる時間をとらず、遠巻きに見様見真似で学ぼうとするというものです。モデリングしたい内容のレベル感が高ければ高いほど、一見するだけではわからないことも多くなります。
モデルの自慢話をじっくり聞く
自慢話を聞くのが嫌いな若手社員が多いようですが、モデルの自慢話は徹底的に聞いたほうが良いでしょう。そのモデルの成功体験が散りばめられているため、しっかりと聞き真似ることで学習効率が高くなる可能性があります。
また、モデルにとっては「自慢話に付き合ってくれる人」という位置づけになりますので、こちらの質問に気持ちよく付き合ってくれるようになります。
先輩や上司に質問すると、何でも聞かずに自分で考えろ!と言われてしまうんです
と言っている若手社員の多くは、先輩や上司の話をあまり聞いていないのではないでしょうか。
「モデルの話を長々と聞くのは嫌だ、でも効率よく真似たい」という考えで、先輩社員や上司が、自分が聞きたい話だけしてくれるように期待するのは、虫がよすぎるというものです。
話し方・行動を真似てみる
見様見真似で、モデルと同じ話し方・行動をやってみる。モデルから色々と聞いて理解したことでも、やってみないと実感が湧きません。
先輩のやり方を参考にしました!と言って、先輩のエクセル、パワーポイントなどの資料を使いまわすだけでは、大したことは学べません。実際にモデルになりきって、色々と行動レベルで試してみると、新しい気づきがあったり、いつもの自分のやり方とは違う結果が出たりします。
違う言い方をすれば、結果やアウトプットを真似するのではなく、プロセスを真似するということです。
モデリングの勧め まとめ
モデリングは学習の基本です。自分なりに本を読んだり、考えたりすることはとても重要なことですが、目の前にいる生きた教科書から直接学ぶことが、自分の成長を加速させていくのではないでしょうか。