人事制度改定 完遂支援プログラム
コンサルや外部顧問に依頼したのに人事制度改定が終わらない企業様へ
人事制度の設計そのものの問題ではなく、経営課題の整理やプロジェクトの進め方に原因があるかもしれません。
人事制度改定は、単に評価制度や報酬制度を設計するだけのプロジェクトではありません。
組織の成長段階やマネジメントの仕組み、経営課題と密接に関係するため、制度設計だけでなく「経営課題・人事課題の整理」「プロジェクトの進め方」が重要になります。

このような状況になっていませんか?Problem
コンサルティング会社や外部顧問に人事制度改定を依頼したものの、議論がまとまらず、制度改定が途中で止まってしまうケースは少なくありません。
例えば次のような状況です。
このような状況に直面している企業では、制度設計そのものよりも、制度改定プロジェクトの進め方に課題があることが多く見られます。

人事制度が完成しない本当の理由Cause
コンサルティング会社や外部顧問に依頼しているにもかかわらず、制度改定が途中で止まってしまうケースには、いくつかの典型的なパターンがあります。➀ テンプレート型のコンサルティング
まず一つは、テンプレート型のコンサルティングです。評価制度や等級制度のテンプレートをベースに制度設計を進める方法は、短期間で制度案を作ることができるというメリットがあります。
しかし企業ごとに、事業構造や組織のマネジメント課題は大きく異なります。テンプレートをそのまま当てはめるだけでは、自社の実態と制度設計が噛み合わないことがあります。
その結果、制度案は完成しているが、社内の納得が得られずプロジェクトが止まります。

➁ 各論から入る進め方
また、目標や課題を整理せず、いきなり次のような各論から入ってしまうパターンも散見されます。
- 評価基準が曖昧なので、明確にしたい
- 評価に納得感がないので、変えたい
- ベースアップのやり方を検討したい
- 目標管理のやり方を変えたい
しかし本来は、各論に入る前に次の点を整理する必要があります。
- 浸透したい戦略・理念・方針
- 最適な組織図
- 求める人材像
- 上記目標に対する経営課題・人事課題
目標や課題が不明確なまま、手段・各論の検討に終始すると、プロジェクトは高確率で迷走します。

➂ プロジェクト・マネジメントの不備
さらに、人事制度改定は、組織を改革するためのプロジェクトでもあります。
プロジェクトの進め方が悪いと、以下のような問題が起こり、結果的にプロジェクトが止まります。
- キーマンの巻き込み不足で、作った制度に賛同が得られない
- 役割分担が曖昧で、効率が悪い
- 完成形がイメージできておらず、細かい検討が延々と続く
- 目的が共有されておらず、意見がまとまらない
- 共通言語や知識がないため、建設的な議論ができない
- バックアッププランがないため、納期が遅れる

実際にあった未完成プロジェクトと対応策Case
ここでは、実際に人事制度改定が途中で止まってしまった企業が、どのようにしてプロジェクトを前に進めたのかをご紹介します。
事例①:課題が多すぎて議論がまとまらなかったA社
未完成の背景
A社プロフィール:社員150名、住宅建設業、中四国エリア
A社では、次のように複数の経営課題が同時に存在していました。
- ビジネスモデルの再構築
- 支店マネジメントの改革
- 部門間のセクショナリズムの解消
- 若手の採用と育成
- 営業インセンティブの大幅な見直し
- コンプライアンスの強化など
これらの課題はそれぞれ重要であり、相互に関連しており、切り分けができていない状態でした。
また前回の人事制度改定が10年以上前であり、時代にマッチしていない人事制度になっていたため、大幅な改定が必要な状態でした。
その結果、人事制度改定の議論を始めても、
- 経営課題の議論と人事制度の議論が混ざる
- 論点が整理されない
- 会議のたびに新しい論点が出てくる
といった状況になり、議論が前に進まなくなっていました。

対応策
そこでまず行ったのは、課題の整理です。
- 経営課題と人事課題を切り分ける
- それぞれの優先順位を明確にする
- 制度改定プロジェクトで、どの課題を解決したいのか
その上で、人事制度改定を一度に完了させるのではなく、3年間の計画として再設計しました。さらに、
- 支店長の役割定義
- 支店・マネジメント体制の整理(指示命令系統・帳票・会議体など)
といった、優先度の高いテーマから順に取り組むことで、制度改定プロジェクトを前に進めることができました。

事例➁:事業別組織で制度がまとまらなかったB社
未完成の背景
B社プロフィール:社員数340名、放送・映像制作業、関東エリア
B社は、M&Aやグループ再編によって3つの事業が統合された企業でした。そのため、3事業は表面上は似た事業構造ですが、実際には次のような違いがありました。
- 事業部ごとにマネジメントスタイルが異なる
- 同じ階層や職種でも、賃金水準や賞与の支給月数が異なる
- 組織文化が統一されていない
この状態で、全社共通の評価制度を作ろうとした結果、各事業部の責任者から強い反発が起きました。
その背景には、
- PMI(統合プロセス)が十分に進んでいない
- 組織としての将来像が共有されていない
といった問題がありました。

対応策
そこでまず行ったのは、現状の整理です。
- 各事業部の特性を把握する
- 組織統合の進捗を整理する
- 経営として目指す方向性を確認する
その上で、制度設計の考え方を見直しました。
具体的には、
- 全社共通にすべき部分
- 事業部ごとに柔軟に設計すべき部分
を整理し、制度設計の前提を明確にしました。
また、プロジェクトの進め方についても、
- 経営陣のみで議論するテーマ(全体デザイン、報酬制度)
- 事業部長を巻き込むテーマ(等級制度、評価制度、教育制度)
を分けることで、議論の進め方を再設計しました。
その結果、各事業部の納得を得ながら、制度改定を前に進めることができました。


事例➂:理念を軸とした制度設計が迷走した企業C社
未完成の背景
C社プロフィール:社員数270名、情報サービス業、東海エリア
C社では、事業承継のタイミングであったため創業者の思いを意識して、理念を軸とした人事制度の構築を目指していました。
しかし、理念をそのまま等級制度、評価制度に落とし込もうとしたことで、次のような問題が発生しました。
- 理念の解釈が人によって異なるため、議論が進まない
- 各等級に期待する役割を、理念を軸に表現しようとしたがピンとこない
- 等級制度と評価制度を完全にリンクさせて、理念を軸に評価項目を細分化したが、ピンとこない
結果として、制度設計が進まなくなり、プロジェクトが停滞してしまいました。

対応策
そこでまず行ったのは、理念の整理です。
- 理念を具体的な言葉に落とし込む
- 組織内で共通認識を作る
- 行動レベルで理解できる状態にする
その上で、
- 理念に関する評価を、バリュー評価として全社共通の評価項目とする
- バリュー評価には無理に段階を設けない(部長と課長で難易度を分ける等はしない)
- 等級制度は、無理やり理念でまとめるのではなく、現状の組織構造(エリア別組織)に合わせたものにする
など、人事制度全体のレイアウトを整理し、制度全体の設計を見直したところ、プロジェクトは前進し完了しました。

私たちのアプローチ
私たちは制度設計を始める前に、まず制度改定プロジェクトの前提条件を整理します。
その中でも特に重要なのが、次の4つです。
➀プロジェクトの設計

以下の点を明確にし、人事制度改定プロジェクトそのものを設計していきます。
- 人事制度に関する共通言語の共有
- 目的とゴール設定
- 役割分担(決定者、管理者、実行者、支援者)
- 誰をどのタイミングで巻き込むのか
- アウトプットとアウトプットの粒度(細かさ)
- 改定スケジュールと運用スケジュール
- リスク管理・進捗管理
人事制度改定は、制度設計の問題であると同時に、プロジェクトマネジメントの問題でもあります。そのため、この設計がプロジェクト成功の鍵になります。
ある会社では、会長がいつも議論をかき乱す傾向にあり、さりとて意思決定者であるため会議からは遠ざけられない、という状況でした。そこで会長には会議の最後1時間だけ出席してもらい判断だけしてもらう、という設計をしたこともあります。
➁経営課題と人事課題の整理

通常、経営課題や人事課題は多岐にわたり、それぞれ複雑に関連しています。課題の整理が弱いと、議論が錯綜しやすいため、制度の落としどころが見えなくなります。
ピースでは、「経営課題」、「人事課題」、「人事制度の不具合」、「人事諸制度の不具合」の切り口で、課題を網羅的に整理し、優先順位付けを行ってから、制度設計に入ります。
すべての課題を人事制度だけで解決できるわけではありませんので、人事制度が特に焦点をあてる課題を最初に決めておきます。
議論が迷走したタイミングで、優先課題を振り返り、幹と枝を分けて議論を進めていきます。
➂人事ポリシーと求める人材像の明確化

次に、制度設計の判断基準となる考え方を整理します。具体的には、以下の点を明確にします。
- どのような社員を評価するのか
- 社員にどのような考え方、行動をして欲しいのか
- どのような企業文化を構築したいのか
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、特にバリュー(行動指針)と関わってくる部分ですので、MVVの再確認、掘り下げを行いながらまとめていきます。
この軸がないまま制度設計を行うと、判断基準がぶれてしまい、制度設計がまとまらないことがあります。
➃人事制度のレイアウト


人事制度に限らないことかもしれませんが、全社で何かを設計する場合は以下で判断を迷うことがあります。
- 共通化する部分と、固有化する部分
- 統合化する部分と、細分化する部分
- 明確化する部分と、曖昧化する部分
最初に判断で迷いやすい部分を整理しておくことで、プロジェクトをスムーズに進めます。具体的には、以下のような視点です。
- 親会社やグループ会社がある場合は、何が制約条件なのか
- ジョブローテーションを、どこまでやるのか
- 給与水準や賞与の支払い額を、どの職種でも同じにするのか
- 等級は何区分にするのか
- 評価シートは何種類作るのか
- 評価と報酬をどこまで厳密に紐づけるのか
- 人事制度の情報を、どこまでオープンにするのか
例えば、ジョブローテーションを頻繁に行い、ゼネラリストを育成していくのであれば、評価制度はどの部門も共通する部分を多めに設けます。
逆に、ジョブローテーションは行わず、スペシャリストの育成に軸足を置くのであれば、評価制度や報酬制度は部門ごとに作り分けてもよいことになります。


