研修後記 ~とことん議論する力~

こんにちは、株式会社ピースのブログからお届けしています。研修後記として、研修の現場で感じたことを徒然なるままに記載しています。

今回は、今の中間管理職に必要な「とことん議論する力」について記載します。

研修の企画内容について打ち合わせをしていると、様々なご要望を頂きます。どの企業様でも共通するようなご要望もあれば、あまり一般的なではないご要望を頂くこともあります。

議論する力をつけさせて欲しい

といったご要望はよく頂くことがあり、少し難しいテーマについて議論する演習を入れたり、あえてディベートの演習を入れたり、議論を活性化するためのスキルについて講義したり、色々な工夫をしてきました。

議論する力。

ある意味当たり前に必要な力でもあり、議論する力において、今の中間管理職に一番必要なことは何か?といった問いかけをしてきませんでしたが、ある企業様の研修で、このことについて考える機会を頂きました。

 

その企業様の人事部の課題認識は以下のようなものです。

最近の管理職は何かしらのフレームワークを与えて議論させると、綺麗に答えを出すことができる。一方で、フレームワークがないと途端に考えがとまることがある。

 

周囲に気を配りながら、上手に議論をまとめることは非常にうまいが、とことん、納得いくまで議論したり、検証したりすることがない。

 

以前は、重要なテーマであれば、朝まで議論することもあったが、そういう光景を社内でまったく見かけなくなった。ときには、激しい議論、お互いに反論し合うような場面も必要ははず。

 

研修の負荷が低すぎるのも、ひょっとしたら問題なのかもしれない。時間の制約は意識しなければならないが、とことん考えさせるような研修企画にしないと、ただやっているだけの研修になるのではないか。

最近の研修全般における反省点の1つかもしれないな、と感じています。

企画サイドとしては、どうしてもフレームワークのような知恵を提供したくなりがちです。アウトプットや生産性を意識して、時間内に議論をまとめるよう促すのが常です。研修時間の延長も諸事情により、以前と比べてほとんどなくなりました。

 

納得がいくまでトコトン議論する。

そうした学習機会を提供していくことも重要なのかもしれません。

 

この企業様では、泊りがけで経済問題について本格的なディベートを行うという研修を実施することになりました。

人事部が危惧していた通り、賛成やとりまとめはできるが、反論ができない。議論が錯綜してきたときに的確にポイントを示せない、といった光景があちこちで見受けられました。

普段、批判的・検証的な立場で議論してきていないせいか、とにかく反論の内容が、最初の論点からずれてしまう。次から次へと新しい論点が増えてしまい、途中から何をどう整理すれば結論が出るのか見えなくなってしまう。

 

そうして2日間、喧々諤々のディベートをやって出て来た、参加者からのコメントが実に興味深かった。

相手に反論するためには、本当によく相手の意見を理解しないと、的外れになることがよくわかりました。

 

自分の言っていることが相手に理解されているのか、伝えたつもりにならずに、常に確認しないといけないと痛感しました。

 

研修アンケートはどれも、「いざ、とことん話し合ってみてはじめて、話す・聞くの重要性に気づいた」というものばかりでした。

何かを学ぶには、とことんやってみるという姿勢も大切であると気づかせてくれた研修でした。