先日はあるクライアントの評価者研修を実施しました。
いつもは外部会場を借りて頂くのですが、気分転換を兼ねて弊社オフィスにお越し頂きました。
コロナ禍でも立派な業績を上げる会社の管理職だけあって、優秀な方ばかりで、「評価制度をどう使えば人材育成につながるか?」活発な議論が交わされました。
主体性がある方、持論がある方と学びを共有するのは、本当に楽しいことです。
評価制度の浸透は内在化がポイント
評価者研修の一般的なプログラムでは、評価者としての心構えやスキルを学ぶ構成になっていることが多いです。
例えば、以下のようなものです。
- 評価制度の目的
- 評価者としての心構え
- 目標設定の仕方
- 評価エラーと回避方法
- フィードバック面談の仕方
しかし、こうしたプログラムでは、なぜ自社の評価制度が今の設計になっているのか、その目的や背景を自分事として捉えることは、なかなかできません。
なぜなら、評価制度は所詮、他人(経営者、人事部、外部コンサルタント)が作成したものであり、評価者である自分たちが作成したものではないからです。
言わば、一種の押し付けであり、なかなか腹落ちしない。
自分事として捉えることを、難しい言葉で内在化と言いますが、評価制度に限らず制度、仕組み、ルール・規範を浸透する際には、この内在化が非常に重要なポイントになります。
内在化を促進するために、評価者も全員巻き込んで、一緒に評価制度を作り上げることができれば良いのですが、労力を考えると現実的ではありません。
このように考えると、評価者研修の限られた時間内に、効率的に内在化を促すために何をするか。これが評価者研修でおさえるべき要点と言えるでしょう。
内在化のやり方は色々とありますが、今回の研修では以下のことを行いました。
- 評価項目の一部を評価者が作成する。
- 評価基準(1~5点)の一部を作成し、経営者・人事部があらかじめ作成したものと比較し、良いものを残す。
- 評価シートをもとに部下面談のシミュレーションを行い、疑問点、改善点を洗い出す。評価制度に対する良い改善点があればその場で導入する。
- たたき台は経営者・人事部主導で作成したが、年に1回、現場の意見を聞きながら改定していくことを伝える。
こうすることで、評価制度に対して受け身にならず、自分たちの頭で考えてくれるようになります。
会社からの説明や研修に対して、「社員が受け身で困る」といった愚痴を聞くことがありますが、それは内在化を無視した進め方になっているからでしょう。
皆様の会社では、内在化を促進するために、どんな工夫をしていますか?良いやり方があれば是非教えてください。