人事制度に関わる仕事をしていると、必ず問題になるのは、その運用です。
作ってお終いにならないようにするにはどうすればいいか。
運用に苦戦するクライアントが多い中、非常に上手く運用できているクライアントもいます。
後者の取り組みを見ていると、以下のような、法則があることに気づきます。
- ①人事制度の露出を上げる
- ②何かのついでに行う
- ③経営からのメッセージを伝えるのではく、現場の声や状況を伝える
- ④振り返りを行う
例えばあるクライアントは、以前から続けている社内報に、ピックアップした社員の評価制度に対する取り組み状況を載せています。(自己採点と振り返りなど)
別のクライアントは、給与明細に、期初に立てた個人目標の進捗率を印字しています。
あるクライアントは、部門ミーティングの冒頭5分で評価制度の読み合わせを行い、優れた行動を行った社員に事例発表をしてもらっています。
どの事例も非常に上手いやり方ですね。
①人事制度の露出を上げる
まず作ったばかりの人事制度は、理解度、認知度が低いため、露出をあげて何度もリマインドしていく。
②何かのついでに行う
何度もリマインドするにはコストがかかるので、何か定例で実施している施策の中に、紛れ込ませてついでにやってしまう。
人事制度説明会や、評価者研修といったわかりやすい手段も大切ですが、もっと小刻みにやっていく。
③経営からのメッセージを伝えるのではく、現場の声や状況を伝える
社員に理解してもらうためには、どうしても説明したくなるところですが、そこはあえて現場の声や状況を聴いていく。
自分事として考えてもらえるよう、社員側を主役にする。
④振り返りを行う
やりっ放しにせず、次につなげるために振り返りをする。
①②③④は別の表現をすると、
- ①可視化する
- ②ORではなくANDの発想で行う
- ③社員の声を聴く
- ④PDCAを回す(ACT)
でありマネジメントの要点そのものであることがわかります。
つまり、人事制度の運用が上手い会社は、マネジメント力が高い会社です。人事制度に限らず、色々なものが上手に運用できていることが多いのです。
運用が上手くいかないのは、人事制度の内容が問題なのか。それとも、マネジメント力が問題なのか。
人事制度の運用について考える場合は、問題を分けて考えたほうがよいかもしれません。
コンサルティング会社に人事制度構築を依頼する場合は、特に注意が必要でしょう。上手く外部を使うには、発注内容を正確に把握しておいたほうが良いでしょう。
皆様の会社で実践している、マネジメントの良いやり方があれば教えてください。