人事制度のコンサルティングをしていると、事業承継のタイミングに居合わせることが多くなります。
何かの節目に人事制度を見直す企業が多いからです。
- 事業承継する前に、仕組みとして人事制度を構築しておきたいという初代。
- 後継者に人事制度を学ばせたいという二代目。
- 事業承継した後で、改めて自分の代の人事制度を作りたいという三代目、四代目。
それ以外でも、例えば100周年を迎えるタイミングのプロジェクトの1つとして、人事制度を再構築されるケースもあります。
こうした節目に何度も立ち会うと、爽やかに引退する経営者と、いつまで経っても引退しない経営者に分かれることに気づきます。
すぐに引退しない経営者の特徴は、以下の3点ではないかと思います。
- ①引退しても他にやることがない。
- ②後継者が頼りなくて、任せられない。(どうしても口出ししてしまう)
- ③そもそも引退する気がない。
多くの経営者にとって、経営は人生そのものであり、やりがいもあるのでしょう。
人によってはなかなか引退できないのです。
一方で、周囲が驚くほどあっさり引退する経営者もおられます。これまでに見てきた方では、以下のような取り組みをされていました。
①引退しても他にやることがない。➡引退後の楽しみを見つける。
例えば、以下のような取り組みです。
- 今の事業は後継者に任せて、別の事業を自分で始める。(厳密には引退ではありませんが、事業承継ではあります)
- NPOや財団を作って、社会貢献を行う。
- 趣味を作り、とことん極める。
②後継者が頼りなくて、任せられない。➡任せるための工夫をする。
例えば、以下のような取り組みです。
- 後継者の候補を1人に絞らず、複数名に競わせる。
- 徐々に任せる。1年目は週休3日、2年目は週休4日、と少しずつ出社日を減らし、5年かけていなくなる。
- 別会社に事業ごと売却する。(少しさみしい気もしますが、、、)
③そもそも引退する気がない。
これだけは本人にその気がないので、解決のしようがありませんね。
皆様の周囲で、爽やかに引退された経営者は、どんな取り組みをしていましたか。良い考え方、やり方があれば是非教えてください。
参考
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