リトルリーグカンパニーでは、当社の「マネージャー研修」を導入いただきましたが、本研修を導入いただいた背景にはどのようなものがあったのでしょうか?
浦 裕美マネージャー(以下浦氏):リトルリーグカンパニーには、単体で現在600名ほどの社員がいます。その中でも特に優秀な人材が管理職になっていきます。しかし、現場ではスターであった彼らもマネージャーとしてはまだ未熟な部分があります。
これまで同じ店舗スタッフとして仕事をしてきたメンバーがある日から部下になるわけです。自分の職責は理解できていても、自身の言動が部下からどのように見えるかを客観的に捉え、管理職としての立ち居振る舞いをするのは至難の業です。
そこで、新任管理職に対し、研修という教育の場を作ろうと企画してきたのですが、どうしても型決まりなプログラムが多く、もっと当社にあった内容の研修があるのではないかと探していた時に、ピースさんのホームページに行きつきました。
ありがとうございます。当社のプログラムのどのようなところが、御社のニーズとマッチしたのでしょうか?
浦氏:内容面では、とにかく実践的なところですね。たくさんの理論を詰め込む研修ってよくあると思うのですが、実際学んでも、現場でなかなか活かしきれないことが多いんです。その点、ピースさんの研修は、理論は大事な部分だけをシンプルにインプットし、それをイメージさせるための現場の事例や、部下との実際のコミュニケーションを想定したトレーニングがたくさん盛り込まれている点が良いと思いました。
とにかく現場で使える実践的な内容を求めていらっしゃったんですね。
浦氏:そうです。我々の店舗は大きいところだとスタッフが60名います。またマネージャーは全員プレイングマネージャーです。日々とても忙しいこともあり、理論・理屈を学んでも、それらを自ら現場にて使う形に変換し、実践するのは非常に困難です。そのため、たくさんの知識を詰め込むより、一つでも多く、現場で使えるものをインプットしてくれる研修を求めていました。
また、ピースさんの研修を導入した決め手の一つは講師です。打ち合わせの段階から、私たちの求めているものを理解してくださり、内容についても柔軟にカスタマイズをしてくださいました。また、講師の方にとても熱意があり、管理職としてのご経験が豊富なことも、弊社の管理職に学びの多い場を提供してくださるのではないかと期待が持てました。
ありがとうございます。実際に研修を導入されての感想はいかがでしたでしょうか?
浦氏:研修は非常に活発な雰囲気で進みました。個人的には研修の冒頭に実施した360度評価が印象に残っています。
※360度評価アンケート:上司、同僚、部下など複数の評価者によって、対象者の人物像を多面的に浮き彫りにする評価手法。
先ほどお話ししたように、新任管理職にとって、部下を含めた周りの人からどのように見られているかを認識することは非常に重要なことなのですが、それを自ら行うのは難しいことです。そのため、この調査によって、新任管理職が自身の強みや弱みを客観的に捉えることができたのは、非常に価値があったと思っています。
松本マネージャーは、本研修に受講者として参加いただきましたが、研修のどういったところが印象に残っていますか?
松本 梨沙マネージャー(以下松本氏):一番頭に残ってるのは、講師の方が教えてくださったたくさんの事例です。他の研修で聞いた時にはピンとこなかったことでも、この研修では、具体的な事例で教えていただけるので、「そういうことだったんだ!」と改めて納得できることが多かったです。また、管理職としての成功事例だけでなく、失敗事例も教えてもらえたのが良かったと感じました。
失敗事例ですか?
松本氏:はい。私は、マネージャーになって5年目なのですが、正直、自分がマネージャーになった時には、何も分からず、すべてのことを手探りで進めていました。こうした失敗事例を事前に知っていれば、もう少しうまく立ち回れたのではないかと思う部分はたくさんあるので、新任管理職にとって、失敗事例を事前に知れることはとても価値があると思います。
また、理論を教えていただけることにより、自身のこれまでの経験を改めて整理できたところもあります。例えば、タックマンモデルを学んだことによって「昔、組織が上手くいかず一人で悶々としていたけれど、あの時期は混乱期だったんだな。逆にあの時期があったからこそ今の組織の状態があるんだな」と捉えることもできたりとか…。
こうして理屈を理解できていれば、今後、また新しい組織で同じ状況になったとしても、落ち着いてうまく立ち回ることができると思います。
浦氏:店舗のマネージャーというポジションは店舗でたった一人。管理職は孤独です。一人で悩みを抱えてしまうこともあります。マネージャー同士で集まる機会はこれまでもあったものの、腹を割って悩みを相談し合うというのはなかなかできずにいました。
今回、ピースの講師に入っていただき、ファシリテートをしていただいたり、質問を投げかけたりしていただいたことで、マネージャーたちもリラックスして、素直に話をできた部分もあったのではないでしょうか。
松本氏:そうですね。2日間の研修は、正直参加する前は長いなと思っていましたが、実際に参加するとあっという間に時間がすぎ、「もう終わり?」という感じでした。それだけ楽しく、学びの多い場だったのだと思います。
浦氏:研修後に受講者にとったアンケートでも大変満足100%でした。長年教育に関わっていてもここまでの高評価はなかなかないので、とても嬉しく感じました。
研修後、感じられている変化・成果はありますか?
松本氏:学んだことはすぐに現場に帰って実践しました。コミュニケーションの取り方を変えたことで、部下との信頼関係が構築され、部下の反応が変わってきたと感じます。部下が目指しているゴールに対してもスムーズに導くことができるようになりました。
浦氏:意識は明らかに変わったと感じましたし、受講者の多くは気づきを具体的な行動変革につなげてくれました。あるマネージャーは、初回の研修が終わった直後に、自店舗のサブマネージャーに電話をし、その場で、今後お店をこうしていきたいんだという熱い気持ちを語っていました。日を待たずしてすぐに行動に移せるくらい、研修が具体的な内容だったからだと思います。
新任マネージャー向けのプログラム終了後、同様のプログラムをサブマネージャーにも導入いただきましたが、その理由をお聞かせいただけますか?
浦氏:マネージャー向けに導入した結果、大きな成果を感じたことと、一店舗当たりのメンバーの人数を考えると、サブマネージャーも同様の視点を持ち、マネージャーと共に人材マネジメントに取り組むべきだと考えたからです。
松本氏:自分が受けて非常に良いと感じた研修だったので、サブマネージャーも「勉強になるから、ぜひ行っておいで」と素直に送り出しました。同じ研修を受けたことで、メンバーに対しても同じ視点で指導ができるようになりました。
サブマネージャーが研修から帰ってきた直後から、二人で新人に対する指導方法を見直しました。研修で学んだように、ダメ出しではなく、改善策を考えてもらうというアプローチに変えたところ、新人の成長スピードも上がってきたと感じています。
それは嬉しいですね。サブマネージャーという相談相手ができたことで、マネージャーの孤独感も、解決される部分もありそうですね。最後に、今後の課題について教えてください。
浦氏:今回、マネージャーやサブマネージャーの教育をお願いしたことで、彼らが成長したポイントもある一方、巻き込み力や発信力など、研修を実施したことによって見えてきた新しい課題もあります。当社では、経験より、考え方や想いを重視して採用をしています。その想いを仕事を通じて正しく能力発揮につなげられるように、今後も人の教育や成長サポートには力を注いでいきたいと思っています。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
株式会社サザビーリーグ。1972年の創業以来、Afternoon Tea、agnèsb.、STARBUCKS、Ron Herman、Flying Tiger Copenhagenに代表される魅力ある海外ブランドを日本のマーケットに紹介、浸透させていくとともに、ageteやANAYI、ESTNATIONなどのオリジナルブランドを展開している。
LEAGUEとかかわるすべての人と分かち合い、共に成長し、社会に貢献することをスピリットの一つとして掲げる同社は、社内の人材育成にも常に力をいれている。