議論を活性化するために、会議の進め方で気を付けたいこと

「会議なんて無駄だ!」という論調があります。

確かに、会議自体は成果を生みませんし、官僚的な調整会議は社員の士気を下げることすらあります。無駄な会議に時間を費やすぐらいなら、現場でお客様に時間を使いたい気持ちも頷けます。

ですが、無駄かもしれないモノに、どうして世の中のビジネスパーソンは時間を費やしたがるのでしょうか。

それは、良い会議もあると考えているからでしょう。上手く進めることができれば、議論が活性化し、素晴らしいアイデアが出たり、皆の結束力が高まることがあると、経験則で知っているからではないでしょうか。

では、理想的な会議の進め方とはどのようなものでしょうか。今回はそれをお伝えしていきたいと思います。

内容としては、直近の1年間で担当した150回の研修の中で、アウトプットの品質が良かったチームの特徴を洗い出したものになります。些細なものも多いですが、数が積み重なるとアウトプットが決定的に変わってきます。それではいってみましょう。

1.最初の雰囲気がポジティブ

ディスカッションが始まると、サクッと役割を認識して話し合いに入るチームと、素でダラダラと始めてしまうチームに分かれます。

最初の雰囲気はとても大切なもので、かなりの確率で第一声がポジティブなチームのほうがアウトプットの品質が高いです。気恥ずかしさもあると思いますが、最初にダラダラしてしまったチームは、最後までその雰囲気を引きずる傾向があります。

○ よし!皆で意見交換してみよう。じゃあ、私からいきますね!
× え~、なんか難しいよねぇ~。どうするぅ~。

 

2.最初に段取りを組む

会議にも段取りがあります。横で様子を眺めていると、リーダー格の人が段取りを決めているチームと、段取りを決めずに話し合いを始めるチームに分かれます。

  • アウトプットは何か
  • アウトプットの体裁・形式はどうするのか
  • 意見交換にどれぐらい時間を使うか
  • 意見のとりまとめに、どれぐらい時間を使うか
  • バッファー(予備)の時間をどれぐらいとるか
  • 役割分担をどうするか

普段の仕事では、会議が始まってから段取りを組むのではなく、会議前に組むことが理想ですが、忙しくてぶっつけ本番になることもあるでしょう。そのようなときでも、最初の数分で段取りを組むように意識したいところです。

 

3.傾聴を意識する

傾聴の重要性は誰もが理解していると思いますが、考えることに集中するあまり、他の人が話しているときに下を向いてしまう人がいます。真剣に考えれば考えるほど眉間にしわがよってしまい、表情が強張ってしまう人もいます。

そして、悪気はないのですが、自分の意見を話すときだけ、明るい表情で話す。人の意見には無反応か、硬い表情。この対比が相手に与える影響は大きいと思います。30分もこの状態を続ければ、かなりの確率で議論は停滞していきます。

○ 常にアイコンタクトをする
○ 相槌、合いの手を入れる、メモをとる
○ 真剣なときでも明るい表情
× 下を向く
× リアクションがない
× 自分が話すときだけ、明るい表情

1対1で話すときには傾聴できても、1対多人数で話すときに傾聴できない方は、案外多いです。

 

4.全員で話し合う

会議とは、会して議論するという意味です。全員が話し合いに参加しなければ、それは会議ではありません。

しかし実際には、どうしても「独演会」を行う人が出てきます。1人で長々と話すため、他の人の発言時間がなくなってしまう。「会して議せず」の状態。

この話の厄介なところは、独演会を行う人は、そこそこ仕事ができて、話している内容が面白かったり、的を得ているため、周囲の人もどう止めてよいかわからず、聞くしかなくなってしまうということです。普段の仕事でも、会議の主催者である管理職がこのタイプだと、部下は会議が嫌いになりますよね。

独演会を阻止するためには、最初の段取りで仕掛けをしておく必要があります。

・全員が発言をする
・1人○分で発表する

など、取り決めをしておくと良いでしょう。普段の仕事であれば、会議前に根回しをするのも一つの手です。

 

5.必ず、時間以内にアウトプットを出す

話し合うことは大切ですが、ただ話し合うだけなら、全員の時間を拘束する必要はありません。単なる話し合いと、会議とを分けるのは、結論としてのアウトプットがあるかどうかです。

とにかく時間内に何かしらのアウトプットを出すことが重要で、それがなければ会議は停滞していき、最終的に、「集まっている意味あるの?」となってしまう。

コミュニケーション自体を目的とするのであれば、会議室で行うよりも、一緒にランチにいくとか、他にも効果的な手段はいくらでもあります。

しかし、段取り通りに話し合いが進まないことはよくあります。そのときに、段取りを仕切り直すチームと、そのまま時間制限を迎えるチームに分かれてきます。

誰かがタイムキーパーをして、段取りの軌道修正を図る。会議に限らず、仕事全般にも当てはまるポイントです。「議して決せず」にならないように、常にアウトプットを出すようにします。

 

6.まとめ

これまでに挙げた5点は、どれも簡単なものですが、全部きちんとできれば、それだけで議論は活性化します。

1回の研修では、大体4~6チームに分かれてディスカッションをして頂くようにしていますが、年間150回研修をしているので、600チーム~900チームのディスカッションを横で眺めていることになります。

750チームとして、この5点が全部できているチームは、200チームないと思います。きちんと数えたわけではありませんが、感覚値として3割は切っています。

尚、研修対象は、新入社員~管理職と幅広いですが、会議が上手いかどうかは、あまりキャリア年数と関係がありませんでした。その理由は恐らく、顧客相手の業務とは異なり、フィードバックを得る機会が少ないからだと思います。

そんなに難しくないポイントもありますので、一度、会議の進め方を皆で話し合ってみてはどうでしょうか。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 

この記事を書いた人
中川 渉
株式会社PIS(ピース) 代表取締役。石川県金沢市生まれ。大阪大学工学部を卒業。㈱日本エルシーエーに入社し、住宅不動産のコンサルタント、研修事業の事業部長、執行役員を務める。㈱SPRIXに転職し、ヒューマンリソース部長、コンテンツ開発部長、新規事業室長を務める。2013年に株式会社PISを設立し、管理職研修を中心に年間150~200回の研修講師を担当する。

 

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