中小企業向け|労使協定をスムーズに進める、労働組合の活用法

中小企業向けの労使協定をスムーズに進めるための労働組合活用法を示したアイキャッチ画像

事業環境の変化に合わせて人事制度の改定を検討しているものの、社員の反応が読めないため、二の足を踏む経営者の方は多くいます。

「法律が複雑でよく分からない」、「社員との交渉が大変そう」が主な理由です。本記事ではこれらの解決方法を示します。

休日数削減や手当廃止などの不利益変更を行う場合は、社員への事前の説明と合意が不可欠です。

就業規則の変更だけでは不十分で、労働者の同意が得られない場合、合理的な理由がないと判断されれば無効となります。

そのため、会社は従業員代表と合意を取り、労使協定を結ぶ必要があります。社員が納得してくれるなら、以下のような労使協定を導入したいと思いませんか?

  • 繁忙期と閑散期の差が激しいため、変形労働時間制を導入したい
  • 業務の進め方を任せたいので、細かい勤怠管理ではなく裁量労働制を導入したい
  • サービス残業が把握しづらい。36協定を締結し、勤怠管理を整えたい

労使協定のように経営側と社員側の合意が求められる場面では、労働組合が機能します。

例えばソフトバンクグループなど、時価総額上位20社中15社が労働組合を持つのは、その有効性が認識されている証拠です。本記事では、中小企業の経営者・人事担当者向けに、

  • 労使協定とは何か
  • なぜ労働組合があると交渉がスムーズになるのか
  • 中小企業における労働組合の現実的な位置づけ

の3点を、専門用語を避けてわかりやすく解説します。

1. 労使協定とは

(1) 概要

労使協定とは、会社と従業員代表が、「ここまでは例外的に認めましょう」と公式に合意したものを指します。

労働基準法はすべての仕事に適用される最低基準を定めていますが、その一律の規定では対応できない場合に、労使協定により業務の実態とのバランスをとります。

会社と社員が対立する状況は疲弊を招き、組織の生産性やエンゲージメントにも悪影響を及ぼします。話し合いで相互理解を深め、解決する方が望ましいでしょう。

(2) 交渉相手

労使協定は、会社と過半数代表者が合意することで成立します。
過半数代表者は、以下の2点により決定されます。

  • 事業場の従業員の過半数を代表する者(管理監督者は除く)
  • 事業場で従業員の過半数が加入する労働組合(管理監督者は除く)

(3) 代表的な労使協定

本記事では、以下の労使協定の詳細を解説します。

①36協定法定労働時間を超えて働かせるための仕組み
②変形労働時間制法定労働時間をあらかじめ柔軟に配分する仕組み
③裁量労働制実際の労働時間に関わらず、みなし時間で働いたとみなす仕組み

代表的な労使協定図

なお、その他の代表的な労使協定は以下になります。

  • フレックスタイム制制度
  • 年次有給休暇計画的付与協定
  • 賃金支払日協定
  • 臨時労働時間延長協定
  • 育児・介護休業労使協定
  • 短時間勤務制度協定
  • 派遣労働協定
  • 時間単位年休取得協定
  • 休憩時間自由設定協定
  • 交代制勤務協定

➀ 36協定(時間外・休日労働に関する協定)

法定労働時間では、1日8時間、週40時間までという上限があり、かつ、週1日以上の休みを与えることが義務付けられています。

法定労働時間を超えて時間外労働や休日労働をさせる場合は、あらかじめ労使協定を結ぶ必要があります。労働基準法36条で規定されているため、36協定と呼ばれています。

時間外・休日出勤を合法化でき、リスク管理に有効な制度です。ただし、協定を結べば無制限に残業させてよいわけではなく、一定期間で何時間労働させてよいか、という限度時間が定められています。

特別条項が認められるか否かは下記のように分けられます。

認められるもの 決算業務など、繁忙期に伴う臨時業務
自然災害に伴う通信障害など、突発的で緊急対応が必要な業務
認められないもの 「業務の都合上必要な場合」など、抽象的な理由によるもの

申請時には、以下を記載し労働基準監督署に提出します。

  • 原則の限度時間
  • 特別な事情で、臨時的なもの
  • 労使の手続き方法
  • 限度時間を超えた延長時間の回数
  • 限度時間を超えた延長時間の上限
  • 限度時間を超えた場合の賃金の割増率

➁ 変形労働時間制

(ⅰ) 概要
変形労働時間制とは、「忙しい時期に長く働き、暇な時期に短く働く」ことを可能にする仕組みです。

特定の期間(1年など)を通して、週平均の労働時間が法定時間(週40時間)以内に収まるように調整します。協定には、1週間単位、1か月単位、1年単位があります。以下では、各単位の概要と、導入した場合の給与額を解説します。

(ⅱ) 1週間単位
1週間単位の変形労働時間制では、1週間の労働時間を合計40時間以内に収めつつ、1日の勤務時間を最大10時間まで自由に配分することができます。

ただし、この制度を導入できるのは、常時勤務する従業員が30人未満の企業で、業種は小売業、旅館業、飲食店、料理店などに限定されています。

<勤務時間の例>

勤務時間の例

上記の例では、変形労働時間制を導入しない場合、木曜日と金曜日はそれぞれ2時間ずつ割増賃金を支払う必要があります。

時給1500円、深夜労働なしと仮定すると、変形労働時間制の導入の有無によって支払う賃金は以下のように変わります。

変形労働時間制あり 1,500円×40時間 = 60,000円
変形労働時間制なし 1,500円×36時間 + 1,500円×1.25×4時間 = 61,500円

(ⅲ) 1か月単位

1か月単位の変形労働時間制は、1か月以内の一定期間で労働時間を調整する制度です。
週の労働時間が平均40時間以内、1か月の合計が174時間以内に収まるように設定する必要があります。

40時間 × 52週 ÷ 12か月 = 約173.3時間(→実務では174時間)

所定労働時間が短いパート、交代制や夜勤がある職場や、1か月以内の期間で繁閑期がある会社などで運用すると便利です。

なお、「営業課のみ」「アルバイトのみ」など、部署、職群に限定して導入することも可能です。

<勤務時間の例>

上記の例では、1か月単位の変形労働時間制を導入しない場合、各日の労働時間に応じて割増賃金を支払う必要があります。

一方、変形労働時間制を導入すれば、残業代は発生しません。
時給1,500円、深夜労働なしと仮定すると、それぞれの支払賃金は以下になります。

変形労働時間制あり 1,500円×160時間 = 240,000円
変形労働時間制なし 1,500円×144時間 + 1,500円×1.25×17時間 = 247,875円

(ⅳ) 1年単位
1年単位の変形労働時間制は、1か月を超えて1年以内の期間で労働時間を調整できる制度です。

1年の中で繁忙期・閑散期がはっきりしている業種(観光地のホテルや受験対策予備校など)、1か月の期間を超えて業務時間を調整したい会社などには都合のよい制度です。

「事務職のみ」「総合職のみ」など、職種や職群ごとに限定して導入することも可能です。連続労働日数は6日まで、事前に配布したシフト表の労働日・労働時間の変更不可など、規制条件は1か月単位の変形労働時間制よりも厳しくなっています。

<勤務時間の例>

1か月単位変形労働時間制における勤務時間の例

上記の例では、休日労働の有無や、平日において1日8時間を超えてどれほど労働したのかが読み取れません。

そのため、(ⅱ)「1週間単位」や(ⅲ)「1か月単位」のように、変形労働時間制の導入の有無による賃金比較は正確には行えません。

仮に平日のみ、深夜残業なしの勤務と想定した場合、160時間(1日8時間×20日)を超える月は、割増賃金の支払い対象となります。例では、4~6月はそれぞれ毎月40時間が対象になります。この前提で比較すると、月給24万の場合は以下のようになります。

変形労働時間制あり240,000円×12か月=2,880,000円
変形労働時間制なし 240,000円×9か月+315,000円×3か月=3,105,000円
 
※割増月の計算方法
時給×時間×割増率+月給
1,500円×40×1.25+240,000円=315,000円

➂ 裁量労働制

(ⅰ) 概要
裁量労働制とは、実際の労働時間ではなく「みなし労働時間」で働いたとみなす制度です。仕事の進め方や時間配分を労働者の裁量に委ねる仕組みで、勤務時間を細かく管理するのではなく、成果を重視します。

例えば、1日8時間働いたとみなすと決めた場合、実際には6時間で終えても8時間働いたものと扱われます。一方で、10時間働いても追加の残業代は発生しません。

裁量労働制には専門業務型と企画業務型の2種類があります。それぞれについて、以下で解説していきます。

(ⅱ) 専門業務型
仕事の進め方や時間の使い方を本人の判断に任せる必要がある業務に対して適用されるのが、専門業務型裁量労働制です。

この制度では、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ定めた「みなし労働時間」を働いたものとみなして労働時間を計算します。上司や使用者は、従業員に対し業務の進め方や時間配分に対して具体的な指示をしてはいけません。

以下の20業務に対して、専門業務型裁量労働制が認められています。

1. 新商品・新技術の研究開発
2. 情報処理システムの分析・設計
3. 新聞・出版・放送番組の取材・編集
4. 衣服・工業製品・広告などのデザイン
5. 放送・映画などのプロデューサー・ディレクター
6. コピーライター
7. システムコンサルタント
8. インテリアコーディネーター
9. ゲーム用ソフトウェアの創作
10. 証券アナリスト
11. 金融工学を用いた金融商品の開発
12. 大学での研究
13. M&Aアドバイザー
14. 公認会計士
15. 弁護士
16. 建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)
17. 不動産鑑定士
18. 弁理士
19. 税理士
20. 中小企業診断士

(厚生労働省「専門業務型裁量労働制について」を参考に著者作)

(ⅲ) 企画業務型
企画や立案など、会社の方針づくりに関わるような仕事をしている社員に適用できるのが企画業務型裁量労働制です。対象となる事業場や対象となる従業員の範囲、制度の導入手続きに、専門業務型との違いがあります。

対象となる事業場は、事業場自体が会社経営の中枢であるか本社など重要な影響を及ぼすものに限られます。また、導入時には労使委員会を設置し、対象者やみなし労働時間などを、委員の5分の4以上の賛成で決めなければなりません。

さらに、委員会で対象業務を決めたとしても、その仕事をしている全員に自動的に適用されるわけではなく、社員ごとに適用してよいかどうかを確認する必要があります。

 専門業務型企画業務型
対象事業場制限なし会社経営の中枢に限定
対象従業員20業務に従事する専門職企画・立案業務を行う社員
導入手続き 労使協定を締結
(労働者代表との合意)
・労使委員会で、5分の4以上の多数決による決議
・対象社員への確認

(ⅳ) まとめ
専門業務型でも企画業務型でも、基本的に1日のみなし労働時間は8時間ですが、就業規則や労使協定で定めれば10時間などに設定することも可能です。

ただし、8時間を超える部分は法定労働時間を超える扱いとなるため、25%以上の割増賃金を支払う必要があります。使用者の立場からすると、残業代を抑えられる8時間設定の方が経済的メリットがあるように見えるかもしれません。

しかし、実際の労働時間と大きく乖離する設定は、労働基準監督署による指導や処罰の対象となる可能性があるため、実態に即した設定が必要です。

(5) その他の労使協定

労使協定は、「労働基準監督署への提出」・「就業規則への記載」・「更新期限」の3点で分類できます。以下に代表的な協定の場合を示します。

2.労働組合という仕組みの強み

労働組合がない会社において過半数代表者を選出する際には、経営者が指名をすることは禁じられており、立候補、投票、挙手による信任、話し合いなどの公正な手続きを経ることとされています。

しかし実際には、特に労働組合がない職場において、制度どおりの手続きは行われておらず、形骸化が指摘されています。

本章では、労働組合という仕組みがどのように労使協定の交渉において機能するのかを、以下の観点から解説します。

(1) 社員のリテラシー向上
(2) 制度としての安定性
(3) 意見の集約・整理

(1) 社員のリテラシー向上

労働組合を通じてさまざまな議論に触れることは、社員にとって労働法や自社の人事制度、経営側の事情を学ぶ良い機会となります。

制度の背景や目的を理解することで、自分たちの働き方や職場環境をより深く考え、課題を建設的に言語化できるようになるのです。その結果、社員側と会社側での合意形成も容易になります。

実際に日本の職場では、労働組合の有無によって社員の労働法理解に差があることが、データによって明らかになっています。

日本労働組合総連合会(連合)が2024年に実施した調査によると、働き方改革に関するルールの理解率は、組合がある職場で82.6%、組合がない職場で64.8%と、大きな差が確認されました。

(日本労働組合総連合会(連合)HPより引用)

(2) 制度としての安定性

労使協定の交渉時、労働組合がない企業の経営者は、従業員代表と交渉を進めることになります。しかし、都度従業員代表を選出する方法では、任期満了や人事異動により代表者が頻繁に入れ替わったり、時には該当者がいなくなるといったデメリットがあります。

仮に代表者が変わるたびに意見が変わると、交渉を進めることが困難になります。一方で、労働組合は労働組合法に基づく公的な仕組みであり、任意のサークルや委員会とは異なり、法的に保護されます。

人員の交代があっても組織としては変わらず存続し、交渉の経緯が引き継がれるので安定性があります。

(3) 意見の集約・整理

労働組合は社員の意見を事前に集約し、整理する機能を果たします。社員一人一人の立場や価値観は異なるため、経営側が直接全員の声を拾うのは現実的ではありません。

しかし、労働組合があれば、社員側の意見を内部で整理し、合意形成を経た形で会社に伝えてくれるため、話し合いがスムーズに進みます。

3.中小企業における労働組合の現実的な位置づけ

ここまで、労使協定の場面を想定し、労働組合という仕組みの優位性を見てきました。

本章ではさらに、(1)「労働組合がもたらすプラスの効果」において、協定交渉の枠を超えた効果を説明します。

その上で(2)「労働組合設立後の注意点」を説明し、最後に(3)「労働組合設立の判断基準」について考察します。

(1) 労働組合がもたらすプラスの効果

➀ 会社がリスク管理を強化できる

ハラスメントや過重労働など、社外に出ると会社の信用を大きく損なう可能性のある問題も、社内で公的に調整できます。

活動が労働組合法によって保護されているため、社員もいきなり労働基準監督署などに駆け込むのではなく、まず会社の労働組合に相談してみようという意識が働きやすくなるのです。

厚生労働省の調査によると、職場で不平・不満が生じた場合の解決ルートについて、労働組合のある企業では、最も多いのが「上司に相談する」で59.9%、次いで「労働組合に相談する」で39.9%、3番目が「その他の方法」で14.9%となっています。
(厚生労働省 「平成26年労使コミュニケーション調査結果の概況」より引用)

では、実際の現場において、労働組合はどのように問題解決をしているのでしょうか。

例えば、公益財団法人日本生産性本部講師、村杉靖男氏が提示するケーススタディでは、上司が部下に対してパワハラを行った場合を想定し、労働組合が果たす役割を以下のように提示しています。

  1. ・中立的立場から関係者にヒアリングし、事実関係の整理を行う
  2. ・ 解決の方向性が定まった場合は、組合員が当事者の間に入り調整を行う
  3. ・ 解決が困難な場合には、人事部門を交え、再発防止策を含めて協議する

(『企業内の労使関係』 村杉靖男、2016、p209~p210より引用)

➁ 会社の信頼性が向上する

労働組合が整備されていることは、社員の声を尊重する企業姿勢の表れであり、 社内外に対して会社の信頼性を高める効果があります。その結果、採用活動や社員の定着にも影響を与えます。

アメリカの研究でも、労働組合が社員の定着にプラスの影響を与えることが報告されています。

例えば、介護施設を対象とした調査では、労働組合のある施設の方が、そうでない施設に比べてスタッフの離職率が平均で約1.7ポイント低いという結果が示されました。
(pmc「Labor Unions and Staff Turnover in US Nursing Homes」より引用)

(2) 労働組合設立後の注意点

➀ 運用負荷が大きい

労働組合の運営には、定期会合や議事録作成、会計処理などの業務が必要です。中小企業では役員が本業と兼務することが多く、これらが大きな負担になります。

また、労働組合を設立すると、業界・地域単位の上部団体への加入を求められる場合があり、会合への参加や会費負担、方針共有など、実務上の負担が増すことがあります。

上部団体の価値観が自社の文化や経営方針と合わず、形式的な参加に終始してしまうリスクもあります。

➁ 目的を誤解される

労働組合は社員の声を整理し、建設的に会社と対話するための組織ですが、経営側も社員側も労働組合が「会社と戦う存在」と誤って認識することがあります。

こうした認識が生じると、円滑なコミュニケーションや組合の本来の役割が発揮されにくくなる場合があります。対応策としては、まず組合規約に目的を記載することが重要です。

そのうえで、粘り強くリマインドを行い、少しずつ浸透を図ります。また、経営側と組合側が共通のテーマで議論することも効果的です。

➂ 一度設立すると、なくすことが難しい

労働組合は一度設立されると、会社の判断だけで解散することはできません。

法律上労働者の自主的な団体として保護されているため、会社が組合の解散や活動停止を促すと不当労働行為と見なされる可能性があります。(※不当労働行為とは、労働組合の結成や活動を理由に労働者を不利益に扱ったり、団体交渉を拒否したりする行為を指します)

そのため、経営環境が変化しても、組合制度を継続的に運営する前提で考える必要があります。

(3) 労働組合設立の判断基準

結論からいえば、社員数が少ない中小企業では、労働組合の設立は基本的には必要ないと考えます。組織規模が小さいうちは、経営者と社員の距離が近く意思疎通が容易だからです。社員数が200-300人になったら検討する価値はあると思います。

経営者のトップダウンでは調整が難しくなるからです。心理学者ロビン・ダンバーによる「ダンバー数」によると、人間が安定した社会関係を維持できる人数の認知的な上限は、100-230人とされています。

社会においては、例えば以下のような場面にそれが表れていると言われています。

  • ・結婚式における招待客数の人数
  • ・SNSにおいて実際に交流している人数
  • ・古代ローマにおける中隊の編成人数

もっとも、この数値はあくまで目安です。経営者のマネジメント範囲は、ビジネスモデルや組織構造、経営者の力量によって異なってきます。

例えば複数拠点を展開している企業では、従業員数が少なくても意志疎通が難しくなるでしょう。また、事業承継のタイミングなども注意が必要です。

とはいえ、社員数は重要な目安の一つです。判断の際には、ぜひ参考にしていただきたいポイントです。

(社員数100人-230人の場合は、上図のような好循環が生まれる。組織がそれ以上の規模になる場合には、労働組合などの仕組みが必要)
(トレイシー・カミレッリ/サマンサ・ロッキー/ロビン・ダンバー(著)鍛原多恵子(訳)『「組織と人数」の絶対法則 人間関係を支配する「ダンバー数」のすごい力』,2024を参考に著者作成)

まとめ

本記事では、労使協定と労働組合をテーマに、両者の関連性にも触れて解説しました。労使協定は、法定労働条件では対応しきれない現場の実態を踏まえ、会社と社員が合意形成するために重要な仕組みです。

また、労働組合は交渉相手としてのみならず、社員の意見を整理・集約し、建設的な対話を促す折衝役としても機能します。

「実際、企業別組合の多くは経営者と良好な関係を築いており、経営者側から労使協議などの手続きを通じて情報交換を行うこともあります。」
(『経営者のための労働組合法教室[第2版]』大内伸哉, 2012, p.19より引用)

組織が一定規模を超え、経営者だけでは社員の声を十分に拾えなくなったとき、労働組合は労使関係を支える大きな力となるでしょう。

本記事を、社員との望ましい関係づくりの参考にしていただければ幸いです。