研修・コンサル後記~毎月のインセンティブ報酬を払って、赤字になってしまった話

研修後記
最近減ってはきたものの、毎月、営業成績に応じてインセティブ報酬を支払っているクライアントが少なからず存在します。

大体、その月に稼いだ粗利の一部を、インセンティブとして営業に支払う形が多いです。

特定の業界では慣習的に続いているようですが、短期的なインセンティブを報酬制度に組み入れるのは、理にかなっていると言えるのでしょうか。

弊社としては反対の立場をとっています。

第一に、金銭的な報酬が社員のモチベーションアップにつながるという研究結果は出ていないからです。

有名なハーズバーグの二要因論によれば、金銭報酬が増えても社員の満足度が上がらないことがわかっています。

逆に、金銭報酬は減ると不満足度が上がることがわかっています。(もちろん、多少の個人差はあります)

つまり、インセンティブは設けても満足度は上がらないが、一度設けたものをなくすと不満足度につながるという非常にやっかいな代物です。

第二に、短期インセンティブは、社員の思考、行動も短期的になるからです。

粗利を稼ぐこと自体が目的になりがちで、中期的なサービス品質や顧客満足につながるような思考、行動ができなくなることが多いです。

第三に、営業利益のコントロールができないからです。

ある月に大きな粗利を生み出すと、当然インセンティブの支払い額も増えます。

その次の月が不調で赤字だったとしても、マイナスインセンティブというのはあまりないので、二か月合算でみると過払いのような状態になります。

これを1年間続けて、結果的に赤字決算になってしまうことがあります。

インセンティブは余った利益から払うのが筋ですし、赤字が続けばリストラにつながります。

したがって、半期~1年間できちんと決算をして、余った原資の中から賞与を支払う形が良いと思います。

成果を出した社員に報酬を支払うことは大切です。

正当な対価がなければ不満に思うでしょう。

一方で、成果を出して欲しいからと言って、札束でモチベーションを釣るようなやり方をしても、良い結果が得られないことが多いです。

会社の資金繰りが火の車のときは、札束で顔をひっぱたいてでも社員を鼓舞しないといけないかもしれませんが、持続的成長を目指す場合は、お金以外の何かで社員のモチベーションを考えたほうが良いでしょう。