先日、製造業を営むクライアントの、人事制度発表会に同席してきました。
弊社は製造業を専門にしているわけではありませんが、日本は製造業が多い国ですので、結果的に毎年のように製造業の人事制度に関わっています。
コンサルティングを通じて得た感触として、製造業の等級制度・評価制度では、ISOを1つの軸に組み立てるとよいと考えています。
製造業を営む企業の多くが、ISOを取得しているため、その取得過程でスキルマップ(業務一覧など呼称は様々)を作成しているはずです。
スキルマップは、非常に精緻に作成されていることが多く、使い方によっては人材育成に役立つものです。しかし企業によっては作ってお終いになっており、非常に勿体ないです。人事制度に使わない手はありません。
- 必要なスキル、知識が網羅されている
- 全職種のスキルマップがある
- 評価基準が明確である
以上3点が揃っていると、人事制度に展開しやすいです。
よくあるのは、工場についてはスキルマップがあっても、管理部や営業部には存在しないというパターンです。人事制度に展開する際は、全職種のスキルマップをそろえていくことになります。
等級制度、評価制度で用いる方法は、スキルマップの獲得点数を、昇格要件の一つにしたり、高得点をとった社員に高評価を与えるイメージです。
ISOでは、評価基準(点数の基準)が明確なので獲得点数による社員の格付け、評価はやりやすいです。多少表現にバラツキはありますが、概ね以下のような点数付けになっていると思います。
点数 | 採点基準 |
---|---|
4点 | 指導ができる |
3点 | 1人で実施できる |
2点 | 指導があれば実施できる |
1点 | 補助ができる |
(スキル一覧)×(1~4点)=(獲得点数)として、用います。
- 合計点がよいか、平均点がよいか
- スキルの加重は要るか
- 全員が全てのスキルをとる必要はあるのか
集計方法で多少意見が割れますが、要はスキルが身について工場の生産性が上がればよいので、1つずつスキルマップを塗りつぶしていくことが大切です。
(ずっと埃をかぶっていたスキルマップの、加重について熱く議論を交わしている姿を見ると、いつも苦笑してしまいます。。。)
はじめて本格的に制度設計をされる製造業では、ISOを上手く活用してください。もちろん、ISOに限らず、過去に作ったマニュアル、ルール、仕組み等、内容がよければ、どんどん組み込んでいくとよいでしょう。
ちょっときつい言い方をすれば、ISOを取ることが目的になっていて、運用していない会社では、人事制度も作ってお終いになり、運用が上手くいかないと考えてよいでしょう。
皆様の会社では、人事制度にどんなマニュアル、ルール、仕組みを組み込んでいますか。
よいやり方があれば是非教えてください。